こんにちは。
元野村證券女性営業マンでフリーランスwebエンジニアのNatsumiです。
今日も「野村證券」の話題をお話ししようと思うのですが、先日こんなニュースが舞い込んできました。
野村HD、1千億円超の最終赤字に リーマンなど「のれん」で減損
野村ホールディングス(HD)は31日、平成30年4~12月期連結決算(米国会計基準)の最終損益が1012億円の赤字に転落(前年同期は1966億円の黒字)したと発表した。最終赤字転落は7年ぶり。過去に買収した米リーマン・ブラザーズなどのブランド価値に当たる「のれん代」で、814億円の減損処理をしたことが響いた。
産経新聞より
野村證券に関する最近のニュースは暗いものばかりです。
私は社員として働いている時でさえ会社には一部批判的な視点を持っていましたが、古い習慣の残っているこの会社が、証券業界のリーディングカンパニーとして今後もトップに君臨する為には、企業内改革は必ず必要だと思っていました。
ただ、私が在籍していた間は決算は黒字が多かったですし、アベノミクスのおかげでなんとか成り立っていた部分があったと思います。
そこで今日は、元野村證券の女性営業マンとして、
- 今の野村證券に起こっていること
- 今後の野村證券について思うこと
を紹介します。
- 元社員が野村證券の今後についてどう考えているか知りたい人
- 野村證券の今後が気になる人
はぜひ読んでくださいね。
野村證券は衰退している&していくと思う
私は
野村證券は徐々に小さくなっている
と思っています。
それは数字でも顕著に現れていて、今回の第3期決算短信の中の比較連結損益計算書を見てみると

リテールの手数料収益はどんどん落ちていっているのです。
野村證券といえば、
リテール営業
です。
支店の花形であり、営業の最前線です。
そこには、
- 相場が芳しくないので、株式の売買手数料が少ない
- 頻繁に取引してくれる人が減った
などいろいろな理由はあると思うのですが、その流れとともに利益も減っていってしまうのであれば、野村證券のリテールはいつか役目がなくなってしまうのではないかと思っています。
今後も優秀な人材は流出する

ここ最近の野村證券の人材の流れとして
優秀な社員はIFAに転身する
という傾向があります。
難しい単語がでてきましたね。
まず、IFAとは何か説明しましょう。
IFAとは
IFAは“Independent Financial Advisor”の略で、日本では「独立系ファイナンシャル・アドバイザー」などと呼ばれています。
IFAナビ IFAとはより
銀行や証券会社をはじめとする特定の金融機関からは文字通り独立した存在で、中立的な立場から顧客にアドバイスする資産運用の専門家のこと。
と定義されています。
もっと簡単にいうと、
特定の金融機関に属さないファイナンシャルアドバイザー
です。
特定の金融機関に属していると、お客様に提案できる商品は「その会社が扱っている商品のみ」になってしまいます。
たとえ「他社が扱っている商品の方が商品性が良い」と思っていても、その商品を勧めることはできません。
また、会社の勧めたい商品を勧めることもあり、担当者が100%商品の選択権を持っているわけでもありません。
しかし、IFAは上記の通り、
特定の金融機関からは独立しているため、多数の会社の商品の中からお客様に最適な商品を提案
できます。
そのことよって、より「お客様の意向に即したポートフォリオが実現」できます。
このメリットが証券会社の社員にとってはかなり大きいのです。
イチお客様の資産運用のパートナーとして「本当にお客様の為になる商品を提案したい」と思う一方、ノルマなどがあり会社からの指示に従わなければならない一面もあるのが、特定の証券会社の社員なのです。
それが、
IFAになれば仕事内容は変わらないのに提案できる商品の幅は広がり、よりお客様に喜んでもらえる仕事ができる
のであれば、その方がいいと思う営業マンも多いのが現状です。
また、金銭の面でもIFAの方がメリットがあります。
IFAはIFA事業者との「業務委託契約」で仕事をしていることが多く、その給与は自分が挙げた手数料の半分くらいもらえる会社が多いです。(会社や契約によって異なるのでこれは一例です。)
例えば、
200万円の手数料を稼いだら、翌月の報酬額面は100万円
400万円の手数料を稼いだら、翌月の報酬額面は200万円
となります。
びっくりしてしまう数字ですよね笑
IFAの稼ぎ方は(稼げる)証券マンにとって、とってもとってもメリットがあるのです。
一方、特定の金融機関の社員である限り、受け取れるのは決められた「給与」のみです。
その給与の計算方法は
月額=基本給+残業代
賞与=自分の前年度のがんばりが少し反映された額
ですので、IFAのような年収になることはまずありえないでしょう。
特定の金融機関の社員である限り、自分の頑張りが「正当に」「100%」給与に反映されることはないのです。
以上の
- IFAになればお客様に最適な商品を自由に提案できる
- IFAになれば歩合給で頑張った分が正当に報酬に反映される
という2点から、
特定の金融機関でファイナンシャルアドバイザーの仕事をするより、IFAというフリーランスでファイナンシャルアドバイザーをするという働き方を選択する人が近年急増しています。
この流れが野村證券では著しく、私の知る優秀な上司先輩方は軒並みIFAになっています。
この流れは今後も止まることはないと思います。
勉強し続ける気の無い社員はさよならしましょう

正直、「野村證券」という名前に甘んじている社員が多すぎると私は思っています。
もう少し具体的にいうと、会社に入ったらそのあとは全然勉強しない人たちです。
「野村證券」という大企業の名前に甘んじているわりには自己研鑽せず、投資・資産運用に対する知識はレベルが低く「なんだかなー」と思ってしまいます。
資産家の方に対峙するのに適した人材は限られてきている、と感じます。
わたしは野村證券で働く人には、
金融のトップレベルの人間であってほしい
と願っています。
それに順次ないような人を雇っているようであれば、それこそ野村證券の縮小は止まらないと思います。
まとめ:野村證券には改革が必要
野村證券には本当に感謝して退社している一方、4年目が終わるときにやめて良かったと思っています。
ただ、辞めた会社が衰退するのをみるのも嫌ですし、できれば今後も証券業界のリーディングカンパニーとして頑張ってほしいと思っています。
ただそのためには大きな決断、路線変更が必要だと感じています。
それでは、今日はこれで^^