株式取引をやってみたいんだけど、「指値」だの「成行」だのよくわからない用語がたくさんあってちんぷんかんぷん。
結局どうやって注文出せばいいかわからないよ!
株式注文の時に使われる用語について詳しく教えて!
株式を買付しようと思い、口座を開くところまではできたものの、
「どうやって買付の注文を出すのかわからない」
「買おうと思ったけど、選択する項目が多くて断念した・・・」
という人もいるのではないでしょうか。
株式取引においては多くの専門用語が使われており、株式取引を初めてする人にとっては疑問が多く生まれるかもしれません。
ということで、今日は、
株式取引でよく使われる用語の説明を解説
していきたいと思います。
株式取引の方法は主に2つ理解しよう
各証券会社の株式取引画面にいくと、株式取引の様々方法が用意されています。

個人投資家が頻繁に使う取引は上の2つで、「現物取引」と「信用取引」です。
- 現物取引・・・取引所を通じて株の売買を行う株取引の基本となる取引/自身の現金と株式で取引する
- 信用取引・・・現金や株式を担保として証券会社に預けて、証券会社からお金を借りて株式を買ったり、株券を借りてそれを売ったりする取引/現金や株式を借りて取引する
投資を始めたばかりの方は「現物取引」のみで取引することをお勧めします。
信用取引は、手持ち資金や手持ち株券を担保にすることで株式を売買することができるため、売買高が増加し、市場における公正な価格形成が促進されると考えられ作られた制度ですが、取引には、売買手数料の他に「金利・貸株料」など信用取引のコストがかかり、仕組みが複雑です。
いずれ勉強してから利用し、最初は「現物取引」のみで取引するのが良いでしょう。
株式現物取引画面の用語説明
では、ここから株式現物取引の画面で使われている用語の説明をしていきます。
こちらがSBI証券の現物株取引画面なので、こちらで使用されている用語を説明していきます。

銘柄コード
各株式銘柄には、上場企業に割り当てられている4桁の番号の証券コード(銘柄コード)というものがあります。
業種ごとに分かれていて、1,000番台から9,000番台まであり、例えば、1,000番台にはマルハニチロなどの水産業の会社が集まり、9,000番台にはユニクロのファーストリテイリングやソフトバンクなどのサービスの会社が集まっています。
東京証券取引所では、株式銘柄を33業種に分類しています。
とはいえ、最近は上場会社が増えたことで、この業界分類に即さない銘柄コードを付与される会社もあります。
銘柄コードは、似た名前の株式銘柄について言及するときに役立ちます。
例えば、「日本郵便と日本郵船」。
名前はとっても似ていますが、事業は全く違いますよね。
人伝てに銘柄を聞いたとき、日本郵便と日本郵船は聞き分けにくいですが、「6178の日本郵便」「9101の日本郵船」と言ってもらえたら、即座に判別することができます。
また、Google検索では、「銘柄コード」を入れるだけでも株価を調べることができます。

銘柄コードを使うととっても便利なので、ぜひ使ってみると良いでしょう。
市場
株式は「証券取引所」を使って取引されています。
証券取引所とは、株式や債券の売買取引を行うための施設です。
「証券取引所」というと、「東京証券取引所」を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実は、日本には4つの証券取引所が存在しています。
- 東京証券取引所・・・日本最大の証券取引所であり、日本の大企業のほとんどがここに上場している
- 名古屋証券取引所・・・名古屋周辺に本社がある企業や、名古屋での事業実績がある企業が上場している
- 福岡証券取引所・・・九州周辺に本店がある企業や、福岡での事業実績がある企業が上場している
- 札幌証券取引所・・・北海道内に本店がある企業や、北海道での事業実績がある企業が上場している
投資を始めてする方が買付するような会社のほとんどは、東京証券取引所に上場していますので、「日本には4つの証券取引所があること、東京証券取引所にほとんどの大企業が上場していること」を覚えておけば良いでしょう。
なお、SBI証券の株式取引画面では「市場→当社優先市場」となっていますが、これはSBIが「複数の金融商品取引所に上場(複数上場)している銘柄の場合、株式会社東洋経済新報社所定の計算方法により、一定期間において最も売買高が多い市場として選定」していますので、こだわりがある場合はその市場を選ぶと良いと思いますが、特に設定は変えなくて良いと思います。
株数
株数は、そのまま「買付したい/売却したい株数」のことです。
100株ほしいのであれば、「100株」と入力します。
ここで注意なのが、日本の証券取引所では「単元株」という制度が取り入れられており、通常の株式取引で売買される売買単位が決まっています。
単元は、ある一定のルールをクリアすれば企業が自由に決めることができるので、1単元の株数は銘柄によって異なりますが、1株、100株、1,000株が一般的です。
とはいえ、2007年より、単元株は「100株に統一しよう」という取り組みが行われ、2018年10月には単元株は全て「100株」に統一となっています。

よって、アメリカの市場では「1株」単位の株式売買が可能ですが、日本では「100株」単位での売買が基本的となります。
そのため、100万円分の株がほしい!となっても、ほとんどの場合「100万円ぴったり」での買い付けはできないです。
例えば、「7203トヨタ自動車」の買付をしたい場合、1株の値は1月24日終値で「7,872円」ですので、100万円で買える分買付したいといっても、「127株」の買付をすることはできません。
「100株」か、資金を足して、「200株」買付するかのどちらかを選ぶこととなります。
「単元株」の制度は日本独自の制度なので、頭に入れておくと良いでしょう。
指値/成行
株式の売買において一番重要な用語である「株式の売買値の指定の仕方」です。
- 指値・・・買う、もしくは売る値段を自分で指定して注文する方法
- 成行・・・値段を指定しない注文方法
のことを言います。
指値注文は、希望した価格で買ったり売ったりできるのがメリットです。
その一方で、買い注文の場合は株価が希望した価格以下にならなければ買うことはできませんし、売り注文の場合は希望した価格まで株価が上昇しなければ売ることができません。
そのため、売買のチャンスを逃してしまう可能性があるというデメリットがあります。
成行注文は、注文さえ出せば、(需要があれば)すぐに買ったり売ったりできるというメリットがあります。
その一方で、想定外の高い株価で買い注文が成立してしまったり、低い株価で売り注文が成立してしまうかもしれないというデメリットがあります。
1月24日のトヨタ自動車株の板を使って、仮に、指値注文/成行注文を出した場合はどのように成立するか見てみましょう。

「気配値」の画面から、「トヨタ自動車株を今売買したい人はどれくらいの値で売買したい意向があるのか」を確認することができます。
1月24日終値の時間帯では、「7,870円」前後で売買したい人がいることがわかりますね。
さて、ここで、あなたが1月27日の翌営業日の注文で、トヨタ自動車株の買付をしたいと思っている場合を考えてみましょう。
まず、「指値の買い注文」を出したい場合、「6,372円〜9,372円」の間であれば、どの値でも注文を出すことができます。
「6,372円〜9,372円の間」といったのは、これも日本独自の制度で、「値幅制限」という制度があるからです。
値幅制限・・・株価の異常な暴騰・暴落を防ぐために、株価が1日に変動できる上下の幅を制限する制度のこと
といい、1日で取引ができる値の幅が決まっています。
トヨタ自動車の場合1月27日の値幅制限は、上下1,500円の「6,372円〜9,372円」となります。
ゆえに、1月27日の注文で、「6,300円で100株の指値買い注文」は出せませんし、「9,400円の指値売り注文」は出せませんのでご注意ください。
値幅制限の幅は株価によって変動しますが、取引できる値が取引画面に記載されていることもあるので覚える必要はありません。
ということで、「6,372円〜9,372円の間」の注文を出すとして、買付したい場合、以下のような注文を出すと、いくらで買付成立するか考えてみましょう。
- 7,800円の指値買い注文
- 7,874円の指値買い注文
- 8,000円の指値買い注文
みなさんも考えてみてください。
それでは、答えは・・・
- 7,800円の指値買い注文→すぐには成立しない
- 7,874円の指値買い注文→7,874円で成立
- 8,000円の指値買い注文→7,874円で成立
となります。
「7,870円」前後で取引されているのに「7,800円」の注文を出しても成立しないことや、「7,874円」の売り注文があるので買付注文が成立するのはわかるとしても、なぜ「8,000円の買付注文」を出したのに、「7,874円」で成立したのか、疑問に思った人もいるでしょう。
これは、
指値注文とは、「○○円よりも安く買う」または「〇〇円よりも高く売る」という注文方法
だからです。
よって、「8,000円の買付注文」を出したとしても、実際の取引では、「7,870円」と希望より安い値で取引されている株があるので、この値での買付成立となります。
逆も然りで、仮に、「7,800円の指値売り注文」を出したとしても、実際の取引では「7,870円」と希望より高い値で取引されている株があるので、この値での売却成立となります。
次に、「成行注文」ですが、成行注文は、「注文を出した時点ですぐに成立する一番安い値で買う/一番高い値で売る」という注文方法になりますので、上記の板でいえば、「7,874円で買付成立/7,870円で売却成立」ということになります。
・成行買い注文の場合は、「売りたい人が希望する値の一番高い値段=売りの先頭(画像の左側一番下)」
成行売り注文の場合は、「買いたい人が希望する値の一番安い値段=買いの先頭(画像の右側一番上)」
で成立する値が確認できます。
自分が保有したい株式が希望よりも高い場合は、低い希望の指値注文を出したり、すでにこの値でいいという場合は成行で注文を出したり、と場合によって注文方法を使い分けると良いと思います。
逆指値
逆指値を頻繁に使うことはないかもしれませんが、使い方によっては便利な注文方法です。
- 逆指値・・・通常の指値注文とは逆の発想で、指定した価格より株価が高くなったら「買い」、安くなったら「売る」注文方法
例えば、「トヨタ株式を7,800円で買付したいけど、現在値は7,800円よりも高い・・・、けどこれ以上上がって買付のタイミングを失うのも嫌だな・・・」と思っている場合にこの逆指値の注文方法が使えます。
逆指値の注文で、「7,900円の買付」という注文を出しておけば、7,800円代では注文は成立しませんし、もし7,900円よりも上がった場合は、7,900円で手を付けることができ、買付の機会を損失する可能性を減らすことができます。
逆も然りで、トヨタ株式を8,000円で買付したいけど、現在値は8,000円よりも安い・・・、けどこれ以上下がって売却のタイミングを失うのも嫌だな・・・」と思っている場合は、指値の注文で、「7,700円の売却」という注文を出しておけば、7,800円代では注文は成立しませんし、もし7,700円よりも下がった場合は、7,700円で手を付けることができ、売却の機会を損失する可能性を減らすことができます。
適宜利用してみると良いでしょう。
注文期間
成行注文は、需要と供給が一致すればその場で売買が成立しますので、注文期間の指定は特に必要ありませんが、指値注文を出す場合は、「1営業日〜7営業日」の間でいつまで注文を市場に出すか自由に決めることができます。
「営業日」換算ですので、月曜日に注文を出せば、祝日がなければ次の週の水曜日まで最長で注文が成立するまで注文を出すことができます。
預り区分
株式の預りには、口座の種類により税金等の取扱い方法が異なり、これらを区別して管理するために「預り区分」があります。

特定口座を開設されている方は、ほとんど「特定預りまたはNISA預り」の区分で取引されると思います。
特に、NISA預かりにしたい場合は、自分で「NISA預り」を選ばないといけないのでご注意ください。
まとめ:株式取引で大事なのは「銘柄/株数/値」
ということで、今日は「株式取引で使われる用語」の解説をしてきました。
日常生活ではなかなか使わない用語も多いため、覚えるのが大変かもしれませんが、株式取引においては、「銘柄/株数/値」を決めることができれば、取引はできます。
取引画面を実際に操作しながら、慣れていくと良いでしょう。
それでは今日はこれで。