野村證券

野村證券の今と昔の変化について野村證券元社員が考えてみる【営業/社風/労働環境の変化】

こんにちは。
元野村證券女性営業マンのファイナンシャルアドバイザNatsumiです。

今日は「野村證券」の話題です。

先日こんな記事を見つけました。

人材流出が止まらない野村證券 危機の真相
野村ホールディングスが苦境に立っている。今年4月末に発表する2018年度決算は、10年ぶりに最終赤字に転落することが確実な状況だ。先行きの厳しさが予想される中、中核子会社の野村證券を支えてきたエース級の人材が相次いで退職し始めている。果たして成長への活路を見いだすことはできるのだろうか。
週刊ダイヤモンド4/27号より

 

優秀な社員の人材の流出については、2月に私のブログで記事にしたことがありますが、
同様の内容も書かれている記事がこの度週刊誌に出たそうです。

ここに書いてあることが全てとは言いませんが、

今日は、

野村證券に訪れている変化

について元社員である私が解説していきたいと思います。

野村證券は昔と全く別物の会社になっているのは本当

私が在籍していた4年間でも、
私が入社した1年目と私が退社した4年目で、だいぶ会社の雰囲気は変わっていました。

色々な要因が重なって

野村證券は短期の間に変化している

ということでしょう。

しかも、現社員に話を聞いてみると

「私が在籍した最後の年(2017年度)よりも、その次の年(2018年度)の方がより変化している」

とのことでした。

「急速に野村證券は変わっている」

というのは本当なのでしょう。

野村證券に見られる変化とは?

では、具体的にどのようなことが変わってきているのでしょうか。

詳しく見ていきましょう。

数字主義→数字を出さなくても詰められない

皆さんご存知の通り、
野村證券は「ノルマ証券」といわれるくらい自身の数字(ノルマ・手数料収入の成績)に厳しい会社です。

「数字は人格」

という言葉ができるくらい

「数字が良い人がどんどん評価されいろいろなポストも与えられる」
「数字さえやっていればあとは何をしてもOK」
「数字をやっている人が一番偉い」
「数字をやっていない人は詰められる」

という会社です。

・・・と言いたいところですが、今はそうでもないのです。

2019年3月期の決算書を見ても分かる通り


決算関連情報 | 決算短信・説明資料 2019年第4四半期決算短信 より)

リテールの花形収益である「委託・投信募集手数料」は、2018年第三四半期をピークに毎期だだ下がりしています。

このだだ下がりの要因としては

  • アベノミクス相場絶頂期からの相場下落
  • 金融庁の規制引き締め/フィデューシャリーデューティの強化
  • お客様の投資マインドの変化

などが考えられます。

また会社の方針としても

お客様第一の取引

を掲げるようになったため

日々の取引の管理が厳しくなったのも要因

だと思います。

いかにこれまで野村證券がお客様に負担をかける営業をしてきたかが分かると思います。

金融庁のメスや自社の取引管理が厳しくなったのは2016年あたりですので、この辺りから業績が落ち始めているのも無理ありません。

また、直近5年間の決算短信を見てみると、
アベノミクス相場の絶頂期である2014年の四半期「委託・投信募集手数料」は今の倍ありますので、
相場の影響も受けて取引ができないため収益が下がっているとも言えるでしょう。

このような要因から社員の中に

環境が変わっても「数字」を出せる人と環境が変わったら「数字」が出せなくなった人

が出てきたのです。

そして、これまで数字のことで社員を詰めていたのは、「環境が変わったら数字が出せなくなった人」たちでした。

ですが、自分が「成績」を出していないのに怒るっておかしいですよね。

怒られている方からすれば、納得感もなければ、指摘を受け入れようとする姿勢さえ生まれてきません。

ということで、

数字のことで怒る人がいなくなってしまった=数字で詰められなくなった

という変化が生まれてしまったのです。

さて、このような変化が起こったことで一番困ったのは「優秀な社員」です。

怒られないのはいいかもしれないけど、そもそも優秀な社員はノルマを満たしているので怒られません。

優秀な社員は環境の変化とともに、お客様に寄り添った提案で利益を出す営業に変えることもできました。

しかし、会社がこのような状況のため、アベノミクス相場のピークの時のような評価・賞与をもらうことができません。

また、このような時代の流れの中で「IFA」という職種が脚光を浴びるようになってきました。

IFAという職種は特定の証券会社の優秀な社員にとってはメリットばかりなのです。

というわけで、「退職する人が増えてきている」というわけです。

会社の「数字」に対する変化が、野村證券の人材流出を起こしたと言えるでしょう。

残業主義→ノー残業主義

数字主義だった頃は数字を出すために「何時までも残って営業をする」というのは当たり前のことでした。

私の先輩の新人の時は、20-21時まで残って営業の電話をすることもあったそうです。

しかし、電通の事件などもあり、

今は定時に帰る人も多いですし、18-19
時の間に多くの人が退社、
19-20時に残っている人は少なく、20時には支店の鍵が閉まります。

また、出社時間も変わってきています。

以前は6時30分くらいから出社して、新人さんが社員の成績表を印刷したり新聞を配ったりしていましたが、

今は新人さんがやる仕事ではないとのことでやめている支店もあるそうです。

支店の鍵自体が8時以降にならないと開かない支店もあるそうです。

新人の飛び込み→店内で基礎を教える

以前、私のブログで私が経験した新人時代のことを話したことがありますが

この記事でも書いた通り

  • 私の新人時代→初っ端から飛び込み営業
  • 今の新人さん→支店で基礎を教えてセミナー対応

とやることがだいぶ変わっているのです。

野村證券の新人営業マンのイメージといえば

  • 1日に200軒以上の家のインターホンを押す
  • 「名刺を200枚もらうまで帰ってこなくていい」と言われる
  • 朝駆けという社長の出勤を狙って会いに行く
  • 「巻紙」と言われる筆ペンで書いた手紙を書く

といったところが有名な噂かと思いますが、今は入社してすぐからこのようなことはしません。

といいますのも、

オレオレ詐欺だのアポ電詐欺だの言われる時代に、インターホンを押して対応してくれる家なんてほぼないです。

私の新人時代でさえ私の肌感覚で20軒行って1軒対応してくれるかどうか。

それも優しい対応ではなくかなり冷たい対応です。

まあ当たり前ですよね、そうであるべきだと思います。

だからこそ「飛び込み営業」なんて営業方法はもう古いわけです。

というわけで、会社としても半人前の社員を送り出して、何か問題になっても困るわけですから

支店で既存のお客様の対応や電話での対応、
知識を覚えてきたらセミナーでさらに知識強化とアウトプット
それができるようになってから個別にお客様対応

というように、新人教育のやり方が数年前から変わりました。

野村證券に入りたいけど飛び込み営業はやだ!という人がいましたら、今は新人からその営業方法はしていませんのでご安心を。
(若手が自主的にやることはありますよ)

今の野村證券は「あなたの価値」を高められますか?

正直な話

今は世間的にも「大企業」「証券会社」「業界トップ」という要因のおかげで
「野村證券」と名乗ることに価値がある

と思いますが

今後は

野村證券と名乗ることによるステータス

は減っていくと思います。

でも、これは野村證券としての価値が下がるというよりか
ベンチャー企業などの台頭により周りの会社の企業価値が上がるため
「一大企業証券会社である野村證券」としての価値に追いつく企業が出てくる

のではないかと思っています。

もちろんある程度の企業価値は落ちるでしょうが、だからといって底辺にいくわけではありません。

他が追随してくることにより、野村證券単体としての価値と変わらなくなると言うことです。

そうなった場合に、

あなたは「野村證券」で働くことに意義を持てますか?

と問いたいです。

経団連も終身雇用を続けられないと断言した今、同じ会社で何十年も働くことに意味はなくなってきています。

むしろ、

専門性を高めながら
「自分の能力/専門性」を高めていける経験を、
より多くいろんな会社で積んだ人の方が
価値がある

世の中になっていきます。

その中で

「好きでもないのに」
「他にやりたいことがあるのに」
「給料が高いから」
「野村證券っていうとモテるから」

なんて理由で野村證券に在籍しているとしたら甚だ浅はかです。

これからの時代は、

会社に価値があるのではなく
自分の価値を上げるために会社を使う

のが当たり前になっていきます。

野村證券はあなたの価値を上げるために使える会社となるでしょうか?

ぜひ、現社員にも、これから入る人たちにも、考えて欲しいことだと思います。

このブログでも紹介している通り

  • 野村證券の社員は優れている人が多いです
  • 野村證券のお客様は素晴らしい人が多いです
  • 野村證券の育成制度はしっかりしています
  • 野村證券の労働環境はホワイトです

と、いろんな変化はあれど、そのおかげである程度素晴らしい環境であることは間違いありません。

この環境を使って自らの価値を上げることができる人にぜひ野村證券の社員として頑張って欲しい

と元社員は思うのです。

まとめ:現在の変化は厳しいが会社にとっては大切な変化

ということで、
今日は「野村證券の今と昔の変化」について解説してきました。

変化がある会社として危機なことは事実なのでしょう。

そのために2020年の人事制度変更や支店数の縮小などが行われるのだと思います。

しかし、
弱点であるネット証券に力を入れるようになることなど、未来に向けて手立てをしていることも事実です。

今は大変かもしれないけど

ぜひ現社員/未来の社員のやる気のある人たちで野村證券を立て直して欲しい

と元社員は思います。

この状況だからこそ今適切な処置をとることが大事なのだと思います。

それでは今日はこれで^^