読書要約

【マネーの公理・読書要約】早く利益確定すること・損切りすることが投機では重要です

こんにちは。
年間100冊以上の本を読むフリーのファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。

今日は「読書レビュー」です。

突然ですが、皆さんに質問です。

「投機で大切なことってなんだと思いますか?」

「投資」ではなく「投機」という表現を使いました。

さまざまな声が聞こえてきそうですが、

今日は「マネーの公理」という本より

賭けて勝つための公理

を説明していきたいと思います。

  • 「公理ってなに?」
  • 「投資じゃなくて投機で勝つの?」
  • 「『賭けて勝つ』ってどういうこと?」

と思った人にはぴったりの本ですよ。

マネーの公理とは

「マネーの公理」とは1985年に出版された「The Zurich Axioms」という本の邦訳で、日本では2005年に出版されました。

「Zurich」ですから、厳密に訳せば「スイスの公理」となります。

この本の副題になっているように「スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール」を学べる本です。

このブログでもこれまで様々な投資に関する本を紹介してきましたが、
「マネーの公理」とは正反対の話題を説明している本がほとんどでした。

正反対の話題とはどういうことかというと、

私がオススメしている

敗者のゲームやウォール街のランダムウォーカーは「分散投資やインデックス投資」の知恵

を記している本です。

一方、

マネーの公理は「投機」の知恵

を記している本です。

よって、これまで私がブログで書いてきたような

  • インデックス投資は堅実な投資方法
  • 割安株投資をするべき
  • 卵は1つのカゴに盛らない=分散投資

を、という内容を肯定するような記述は一切出てきません。

むしろ、

  • 分散投資をしてもお金持ちにはなれない
  • リスクを取らない限りお金持ちにはなれない
  • 投資と投機は同じ意味

という内容が載っています。

冒頭でも書いた通り、この本には、

賭けて勝つための公理

が書いてあります。

日本だとあまり「賭ける」という言葉を聞いてポジティブな印象を持つ人はいないかもしれません。

しかし、世界で最も栄えた人々として名高い「スイス人」は

リスクを合理的に取り、賭けることで栄えてきた

のです。

そのスイス人の築いてきた「お金に関する(マネーの)公理」

12の重要な公理と16の副公理に分けて、この本では説明をしています。

12の重要な公理

12の重要な公理は以下の通り説明されています。

  1. リスクについて・・・心配は病気ではなく健康の証である。もし心配したことがないなら、十分なリスクを取っていないということだ
  2. 強欲について・・・常に早すぎるほど早く利食え
  3. 希望について・・・船が沈み始めたら祈るな。飛び込め
  4. 予測について・・・人間の行動は予測できない。誰であれ、未来がわかるという人を、たとえわずかでも信じてはいけない
  5. パターンについて・・・カオスは、それが整然だと見え始めない限り危険ではない
  6. 機動力について・・・根を下ろしてはいけない。それは動きを遅らせる
  7. 直観について・・・直感は説明できるのであれば信頼できる
  8. 宗教とオカルトについて・・・宇宙に関する神の計画には、あなたを金持ちにすることは含まれていないようだ
  9. 楽観と悲観について・・・楽観は最高を期待することを意味し、自身は最悪に対処する術を知っていることを意味する。楽観のみで行動してはならない
  10. コンセンサスについて・・・大多数の意見は無視しろ。おそらくそれは間違っている
  11. 執着について・・・もし最初にうまくいかなければ、忘れろ
  12. 計画について・・・長期計画は、将来を管理できるという危険な確信を引き起こす。決して重きを置かないことが重要だ。

この12の重要な公理をしっかりと肝に銘じ、それ通りに行動することができれば
あなたは「リスクを合理的に取り、お金持ちとなる」ことができるでしょう。

それでは抜粋して見ていきます。

リスクについて・・・心配は病気ではなく健康の証である。もし心配したことがないなら、十分なリスクを取っていないということだ

あなたがもし貧乏クラスから這い上がりたいとすれば、

その唯一の方法は、

リスクを取ること

と説明されています。

例えば投資の本なのでは、

リスクを取ることに臆病になるのであれば「無くなっても良いと思える資金まで」で運用するべき

と書いてある本もあったりします。

しかし、この「マネーの公理」ではそのような行為はお粗末であるとしています。

なぜなら、それでは「お金持ち」にはなれないからです。

ここで質問をします。

あなたにとっても「無くなっても良いと思える資金」は具体的に何円ですか?

1,000円という人もいるでしょう。

100,000円という人もいるでしょう。

しかし、金額は各々違いはあれど、

「無くなっても良いと思える資金」を賭けたところで、あなたは貧しいままである

とこの本では書かれています。

1,000円が10倍になろうが10,000円です。

10,000円であなたはお金持ちになったと言えますか?

ということです。

また、この章では、

「分散投資」についてもお金持ちになりたいのであれば必要がない

と述べられています。

分散投資は、「ある投資対象が上がった時に、他の投資対象が下がる」という仕組みです。

もちろん、「ある投資対象が下がった時には、他の投資対象が上がる」ので良いということですが。

お金持ちになりたいのであればあるところで賭けに出ないといけません。

出なければ資産が爆撃に増えることは早々ないからです。

1つ目の公理ではまず「リスクを取ること」を肝に銘じましょう。

強欲について・・・常に早すぎるほど早く利食え

1つ目の公理では「リスクを取ること」について述べられていましたが、
2つ目の公理は「早めに利食う」ということについて説明されています。

私たち人間はとっても「強欲」です。

「あれが欲しい。」「こうなって欲しい。」

いつもいろんな欲にまみれて生きています。

それをうまく扱えれば良いですが、扱えないのが人間です。

だからこそ、投機の世界では強欲が利益をなくす要因となります。

どうしても、株式を買い付けして値上がりすると、

ツナモンスター
ツナモンスター
もっと上がるかもしれない・・・!

と思ってしまいがちです。

これが「強欲」です。

でもこの「強欲」がすぎるとたちまち利益はなくなってしまいます。

だからこそ「早すぎるほど」はやく利食うのです。

株式の世界にはこのような格言があります。

売った株式の株価をチェックしてはいけない

見たくなる気持ちはとってもわかりますが、
売った株式の株価が上がっていようが、下がっていようが、

常に早すぎるほど早く利食えば、あなたの手元には少なからず「利益」だけが残ります。

「上がるかもしれない」という強欲に負けて、少しの利益で満足しなければあなたには「損」が待っているかもしれません。

希望について・・・船が沈み始めたら祈るな。飛び込め

つまりは「損切り」についての話です。

先ほどの「強欲」の話では
利益が出ているときは、「もっと上がるかもしれない・・・」と思いがちというお話をしました。

こちらの「希望」の話では
下がり始めたときは、「戻るかもしれない・・・」と思うことなく、即座に降りろ、という話をしていきます。

重要なのは、

沈み始めたら・・・

という部分です。

「沈んでしまったら」ではありません。

「沈み始めたら」です。

つまり、全部沈んでしまう前に逃げなければならないということです。

でもこれってなかなか難しいですよね。

なぜなら、

  • 後悔するかもしれないという恐怖
  • 投資資金の一部を失うこと
  • 自分の間違いを認めるという難しさ

という3つの障害が、あなたが損切りすることを躊躇させるからです。

でも、投機をする人は「損切り」を有効的に使えるようにならなければならないということです。

予測について・・・人間の行動は予測できない。誰であれ、未来がわかるという人を、たとえわずかでも信じてはいけない

みなさんは投機をする時に「専門家の予測」を参考にしますか?

その「予測」が当たったことはありますか?

4つ目の公理は「予測はできない」という公理です。

世の中には株式市場の今後の予測や景気の予測など様々な予測がたくさん存在しますが、
大概は当たっていませんよ、という話です。

機動力について・・・根を下ろしてはいけない。それは動きを遅らせる

これは「銘柄に執着するな」という話です。

時々「過去この銘柄でうまくいったから、今回もこの銘柄で勝負する」という人がいますが、

このマネーの公理ではその行動は正しくないとされています。

マネーの公理では「より良いものを見つけたら、今の投資は止める」こととされています。

人間は経験に頼りがちなところがありますが、その経験がいつまでも続くわけではありません。

より良いものを見つけたら、乗り換える機動力を持ちましょう。

コンセンサスについて・・・大多数の意見は無視しろ。おそらくそれは間違っている

専門家のコンセンサスは株式の解説などでは鉄板の株式分析要素となっています。

しかしこの本では「大多数の意見は無視しろ」というマネーの公理があります。

そして、投資を行う時の最高なタイミングは

誰もそれを望まない時

とされています。

ということであれば、
世の中で話題になっている株やネットなどで注目されている株を、注目されてから買うのはなしということになりますね。

執着について・・・もし最初にうまくいかなければ、忘れろ

この章では「投資においてこだわりの気持ちを持って追いかけてはいけない」と述べています。

先ほどの「銘柄に執着するな」という話に通ずる話かもしれません。

時々「株が下がっているからナンピン買いしよう」という人がいますが
この本ではオススメされていません。

ナンピン買いで悪い投資をなんとかしようとするな

ということでした。

肝に銘じたいものです。

計画について・・・長期計画は、将来を管理できるという危険な確信を引き起こす。決して重きを置かないことが重要だ。

最後の公理は「長期投資は避けろ」という話です。

世の中の投資の本は「投資はできる限り長期投資であまり売買しない方が良い」と主張している本が多いです。

しかしこの本は「投機/投資については長期投資をするな」というスタンスです。

なぜなら、

自分で見ることができない将来を計画することは無益

だからです。

必要な長期計画は

お金持ちになること

だけだそうです。

まとめ:お金持ちになるためには合理的なリスクを取ること

ということで、
今日は「マネーの公理」という本の要約をしてきました。

投資初心者の人にとっては

  • 合理的なリスクを取ること
  • 利益確定は早すぎるくらいですること
  • 損切りを利用すること

をぜひ肝に銘じて欲しいと思います。

それでは今日はこれで^^