こんにちは。
年間100冊以上の本を読むフリーのファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。
今日は「読書要約」です。
みなさんに質問します。
「お金持ちになれる方法を知れるなら知りたいですか?」
この質問にNOと答える人はすでにお金持ちなのかもしれませんが、
大概の人が、「お金持ちになれる方法が公開されている」のであれば知りたいと思うでしょう。
そんなあなたのために紹介したい本がこちらです。
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様々な現代社会における問題点に対する本を出版している橘玲さんの本です。
この本では、
21世紀の知識社会を生きる私たちが
どのようにしてお金持ちになれる「黄金の羽根」を拾うべきか
が述べられています。
今日はこの本のレビューをしていきたいと思います。
Contents
この本の構成
この本の構成は以下の通りです。
21世紀は知識社会である
↓
「知識を取得して近道ができる人/お金を払って知識を手に入れる人/知らずに回り道をする人」に分かれる
↓
お金持ちになるためには、知識を習得して、「経済的な土台」を改善すべき
↓
その経済的な土台の方法を説明
という流れになっています。
日本の社会制度のゆがみを利用してお金持ちになる
日本の社会制度は、「サラリーマン」として働くことを前提として基礎が作られました。
そのため、「自営業者や中小企業」の人たちは社会的弱者として、様々な優遇制度が設けられました。
自営業者として働いている人が近年増加しているため、制度はつぎはぎに整備されてはいますが、
つぎはぎに設備された制度には「ゆがみ」が存在することとなりました。
そして、この「ゆがみ」をうまく利用すれば、「お金持ち」になることができます、というのがこの本の主張です。
さて、その方法とは、
「個人」と「法人」の人格を使い分けること
です。
みなさんがサラリーマンであれば、
収入ー各控除=所得 ←課税
という式で課税されていると思いますが、
自営業者や法人では、
(収入ー経費)ー各控除=所得 ←課税
という式で課税されています。

この式の違いを利用して、お金持ちになりましょうということです。
お金持ちの方程式
さて、お金持ちになるためには、ある方程式を理解し、その方程式に合うような行動していくことが求められます。
その方程式はこちらです。
資産形成=(収入ー支出)+(資産×運用利回り)
です。
これだけです。
さて、この式がお金持ちになるための方程式だということになれば、
あなたはどのようにすれば資産形成をすることができますか?
方法は3つです。
- 収入を増やす
- 支出を減らす
- 運用利回りを上げる
これだけです。
まずは、
「収入を増やす努力はしていますか?」
「無駄遣いをしてはいませんか?」
「固定費の見直しはしていますか?」
「運用はしていますか?」
と自分に聞いてみてください。
その上で、以上の3つを達成するための方法を紹介していきます。
それが、こちらです。
- 純利益の確保・・・手元にお金を残す
- 複利運用をする・・・この世で一番素晴らしい効果は複利効果
- 十分な資産がないと投資効果は大きくならない・・・スケールメリット/元手を増やす
- 働き手を増やす・・・共働き/投資
- 住宅コスト/生命保険の見直し
- 投資コストを下げる・・・手数料をしっかり考慮する
- 税金を払わない
以上のことを見直して、お金持ちの法則に当てはまるように自分の生活を変えていきましょう。


不動産と生命保険の考え方
不動産の購入と生命保険の契約は、人生設計に大きな影響を与えますし、
日本人の多くは、マイホームを購入することや生命保険に加入することは当たり前のことと考える人が多いです。
しかし、人によってはマイホームを購入することも、生命保険に加入することも必要がない人はいます。
にもかかわらず、メディアの戦略やセールスマンの誘惑によって、
いずれも行なっている人は数多くいます。
ここでは、不動産と生命保険の考え方を今一度整理していきたいと思います。
不動産の考え方
- 家を買うのは株式投資を同じ
- 住宅ローンの返済は「貯金」ではない
- 永住を前提に勝っても、持ち家は有利にならない
- 30年後に手に入った家に価値はない
不動産価格は変動します。
あなたの住んでいるところの地下が上がれば、あなたの家と土地は価値が上がりますし、
過疎が進んでいくようなところであれば、もちろん価値は下がります。
「家は資産」と勘違いしている人が多いですが、
「資産」とはそのものから「お金」が発生するもののことを言いますので
毎年のように「税金が発生する家」は負債でしかありません。
また、建てたその瞬間に日本の家は1割ほど価値が下がります。
物の価値が上がるのであれば「資産」と言えますが、下がるものは「資産」とは言えません。
とはいえ、この論点で話しても、家が欲しいという人はたくさんいますので、あとは心の問題かもとも述べられています。
生命保険の考え方
冒頭でも話した通り、日本人は必要以上の保険に加入していることが多いです。
最もシンプルな保険は「死亡保険」です。
加入者が死亡すると、受取人に保険金が支払われます。
これをもとに考えると、
「死亡保険」を掛ける必要がある人は、
「あなたが亡くなった時に、生活に困る人がいる人/何かの支払いが誰かに移ってしまう可能性がある人」
ということができます。
そうでない人は死亡保険は要りません。
それよりも、働けなくなった時にお金がもらえる掛け捨ての保険に入っておいた方が合理的です。
医療保険についても、日本には「国民皆健康保険」という制度があります。
その中には「高度療養費制度」というものもあり、1ヶ月あたり9万円以上の自己負担となることはありません。
一度自分の入っている「保険」について見直しをした方が良いでしょう。
年金と保険について
日本の年金と保険は、自営業かサラリーマン(または公務員)によって制度が分かれています。
ここも理解することでよりお金持ちになれる方法が理解できるようになります。
国民年金と厚生年金
国民年金は月額16,410円(2019年)です。
つまりあなたが働いている間ずっと国民年金を納付するとしたら、
16,410円×12ヶ月×40年=約800万円
を納付することになります。
そして、支給は
月額64,941円
ですので、
男性の平均寿命81才/女性の平均寿命87才で、65才から受け取ったとすると、
男性約1,250万円/女性約1,710万円
受け取れることとなります。
男性約1.5倍/女性約2.1倍
の運用をしたのと同じということです。
ここからわかることは、国民年金は確実に儲けられる仕組みになっているということです。
対して、厚生年金はどうかというと、これは「損」する仕組みとなっています。
年金支給額は、「国民年金が平均月額で5万5千円、厚生年金は14万7千円」という実績が公開されています。
これは、厚生労働省が公開している「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」という報告書によるものです。
とあるように、月額は「厚生年金」の方が貰える、というのは事実ですが、
ここで注目したいのは、「自分が賭けた金額に対してどれくらいもらっているのか」ということです。
実は、厚生年金は、自分と会社が折半して納めた年金額の総額より受け取っていません。
実際は、厚生年金として納めた保険料の半分は、国民年金の赤字の埋め合わせとして使われています。
国民健康保険と組合健康保険
さて、国民健康保険と組合健康保険の制度の違いも見ていきましょう。
国民健康保険と組合健康保険の保険料の算定の仕方は以下の通りです。
- 国民健康保険・・・申告所得による保険料
- 組合健康保険・・・給与に応じた保険料
ということで、ここでも国保と組合健保に違いが出ています。
ここでは、どこを基準にしているかの違いがあるかを確認しておけばOKです。
合理的に人生を設計する方法
さて、ここまでお金持ちになるための生活の方法や日本の社会制度の仕組みについて理解してきましたが、
ここからは、この歪んだ制度のもとで生きることを余儀なくされている私たちが
合理的に人生を設計する方法を紹介していきます。
その方法がこの2つです。
- 合法的な範囲で、できる限り税金を払わない
- 合法的な範囲で、できるだけ再分配を受ける
「合法的な範囲で、できる限り税金を払わない」については、あらゆる税金は「所得」に対して課税されています。
そのため、「所得」をゼロにしてしまえば、ある程度の税金を払う必要がなくなるということです。

一番最初に説明した式を思い出してください。
「所得」はどこにありましたか???
そう、経費や控除を引いた後に、「所得」があるのです。
この仕組みを理解すれば、「サラリーマン」であることが税金において不利であることがお分かりいただけると思います。
なぜなら、サラリーマンには「経費」の概念がないからです。
だからこそ、
「個人」と「法人」の人格を使い分ける
なのです。
個人事業主か法人格を持てば、その人たちの「優遇制度」を使えるようになるのです。
とはいえ、国民年金はどんな所得の人であっても定額ですし、
国民健康保険は、2013年より「旧ただし書き所得(*「総所得ー基礎控除33万円」)」というものが使われることとなりましたので、
減らす手立てはほぼ無くなってしまいました。
「経費」と「控除」をうまく使い、税金をできる限り抑えましょう。
知識社会を生きていくための仕事
最後に、知識社会となったいま、私たちの仕事のあり方が変わってきています。
その中で、どのような仕事をして、どのように富を得ていくのが良いか、述べていきます。
知識社会の仕事は3つの分類に分けられます。
- クリエーター・・・作家/俳優など
- スペシャリスト・・・士業/専門家
- マックジョブ・・・誰でもできる
そして、このような世の中で、できる限り人的資本からの(働くことで得られる)収益を増やすためには、
- 人的資本の投資により、運用利回りをあげる・・・資格を取る/経験を売りに転職し年収を上げる
- 人的資本の運用期間をできる限り長くする・・・できる限り長く働く
の2つの方法しかありません。
自分のニッチを見つけ、人的資本を最大化する専門分野に特化し、
会社に依存せず市場から富を得る
この生き方こそが、知識社会を生きる生き方となります。
まとめ:合理的にお金持ちになりましょう
ということで、
今日は「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」の本のまとめをしてきました。
「合理的」が好きな私にはとてもわかりやすい内容の本でした。
それでは今日はこれで^^
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