こんにちは。
年間100冊の本を読むフリーランスwebエンジニアのNatsumiです。
今日は「本のレビュー」です。
橘玲さんの「働き方2.0vs4.0」という本です。
このブログではいくつか橘玲さんの本を紹介していますが
今日は
働き方2.0vs4.0の本の内容
を紹介していきたいと思います。
Contents
働き方2.0vs4.0とは
タイトル働き方2.0vs4.0の意味
そもそも働き方2.0や4.0というのはどういう意味なのでしょうか?
「○○○0.0」という書き方は
モチベーション3.0というダニエルピンクの書いた「人の行動の動機づけが今と昔では変わってきてますよ」という内容の本のタイトルから来ているのだと思います。
人の行動の動機づけのバージョンを、パソコンのオペレーションシステムのバージョンに見立て
「1.0は昔の動機づけのシステム→3.0が最新の動機づけのシステム」としているのです。
つまり、今回のこの本のタイトルの「働き方2.0vs4.0」というのは
「働き方のバージョン2.0とバージョン4.0」を比べている、という意味であり
働き方2.0は日本の働き方改革によって期待されている働き方
働き方4.0は海外ですでに取り入れられている働き方
としています。
「日本では働き方改革によって新しい働き方が浸透するようになると言われていますが、
そもそも新しい働き方になったとしても海外の働き方には全然追いついていないんですよ」
という意味を込めて、
働き方2.0vs4.0
というタイトルになっているそうです。
働き方1.0-5.0の働き方とは
ではそもそも、働き方1.0や2.0・4.0の働き方とは具体的にどのようなことを言うのでしょうか。
この本では、
- 働き方1.0→年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行
- 働き方2.0→成果主義に基づいたグローバルスタンダード
- 働き方3.0→プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散するシリコンバレー型
- 働き方4.0→フリーエージェント(ギグエコノミー)
- 働き方5.0→機会が全ての仕事を行うユートピア/ディストピア
と定義されています。
つまり日本はこれからやっと
年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行→成果主義に基づいたグローバルスタンダード
に移行しようとしていますが、
海外ではすでに
フリーエージェント(ギグエコノミー)
の働き方になっているので、全く世界の潮流には追いつけていないんですよ、ということです。
海外の働き方と社員の現象
では、世界の潮流である「ギグエコノミー」とはどのような働き方なのでしょうか
ギグエコノミーとは、
インターネットを通じて単発の仕事を受注する働き方や、それによって成り立つ経済形態のこと。
ギグエコノミーとはより
ビジネスに必要な人材をジャストインタイムで採用することで
雇用者側は、スキルの高い社員を手配することができ
働く側は、色々な制約に縛られず、自由に好きなことをするという価値観を実現する
ことができるため、このような働き方がアメリカなどでは増えてきているそうです。
この働き方により、
自由度や柔軟性を重んじてインディペンデント・ワーカー(ギグエコノミーの中で仕事する人)を選んだ人のうち
- 80%が独立して働くことで生活で幸福感が高まった
- 75%がフリーランスで働く生活は健康にも良い
と答えているそうです。
日本の会社と社員の現状
一方、日本の会社の働き方といえば
- 年功序列
- 定年退職
という働き方がまだまだ主流です。
これらの日本独特の雇用形態が機能不全してきていることは、昨今ニュースでも取り上げられてきていますね。
年功序列の問題点は、
- 若い優秀な人材がいても、レベルの低い中年社員より給料が低くなってしまう・昇進できないこと
- レベルの低い中年社員が社内に残ることで、人材の流動性が失われること
などが挙げられます。
また、定年退職の問題点も
- 定年を迎える人の中に優秀な人材がいてもいきなりキャリアが強制的に切られてしまうこと
- 同一労働同一賃金であるべきはずなのに、再雇用で正社員の時と同じ仕事をしていたとしても給料が下がってしまうこと
などが挙げられます。
そしてこのような働き方をしている日本は
経済成長もそこまでしていない上に、労働生産性が低い
です。
日本の労働生産性は、OECD36か国中21位、先進7カ国中ずっと最下位です。
日本の労働者が生み出す一人当たりの利益は8万4,027ドル(約924万円)で
アメリカの労働者の66%だそうです。
一人当たりの名目GDPは2017年で1万8,500ドルで世界25位。
マカオ、シンガポール、香港にも大きな差をつけられるまでになりました。
そしてさらにさらに問題なのが
従業員の会社に対するエンゲージメントレベルの低さ
です。
エーオンヒューイットによる「2014年アジア太平洋地域の社員エインゲージメントの動向」では、
日本でエンゲージメントレベルが非常に高い社員は8%(世界平均22%)
ある程度高い社員は26%(39%)
低い社員は32%(23%)
非常に低い社員は34%(16%)となっています。
日本の会社はエンゲージメントレベルの高い社員がものすごく少なく、
低い社員がものすごい多いことがわかります。
ということで、
日本の社員は会社や仕事に対してネガティブで会社を憎んでいる
ということになります。
働き方も機能しない。
経済も成長しない。
そもそも社員が会社に対して忠誠心がない。
日本のサラリーマンはむかしもいまもずっと会社を憎んでおり、
過労死するほど働いているものの全く利益を上げていない
ということになります。
なんともまあ、悲惨な状態なわけです。
おかしい日本の制度
定年制を廃止し金銭解雇を合法化すべき
上記にも書いた日本的な雇用慣行は、機能していない上に、優秀な人材の流動性を低めています。
そこで筆者は
定年制を廃止し金銭解雇を合法化すべき
と主張しています。
定年制を廃止し、
それぞれの能力に応じて働き続ける
ことで、定年後の心配をしなくて済むようになります。
そして同時に、金銭解雇を合法化することにより
企業の雇用意欲を刺激することができる
のです。
生産性の低い社員がいなくなり、その開いたポストを優秀な非正規社員にあげることができるようになれば、日本の雇用の問題である非正規・正規の問題も解決できるようになります。
今後生き延びる働き方とは?
「人生100年時代」になった人生設計は
- 好きなこと・得意なことで仕事する
- 投資家になる
- 長く働く・共働きする
ということが重要になると筆者は主張しています。
「好きなこと・得意なことで仕事する」とは、もう嫌なことで仕事をする時代は終わりましたということです。
全ての人が「好きなこと」で仕事ができるわけではないと筆者は言っていますが、
それでも3つ目の長く働くためには「好きなこと」で仕事をする方が自分の健康のためにも良いでしょう。
「投資家になる」ついては、健康上の理由などで働けなくなった時に、途端に人的資本による富の増やし方ができなくなります。
そうなった時は「お金」に働いてもらいましょう。
「長く働く・共働きする」とは、人的資本(=自分という存在)を使って生活していくためにできることは「長く働くことである」ということです。
定年制などの考え方に縛られず、生涯続けたいと思う&続けられる仕事をするべきだということです。
幸せな働き方とは
最後に、アメリカの若者の間で広がっている
FIRE運動
という運動について述べられています。
FIRE=Financial Independence, Retire Early
(経済的に自立し、早く引退しよう)の略
で、
「若いうちに一定の貯蓄ができれば、残りの人生を自由に生きる選択肢が得られる」ということで広がっているそうです。
ただこれは、早く引退しよう(アーリーリタイアメント)の考え方というより
日々のお金を心配することなく、会社や組織から自由になって好きな仕事をすること
であると言えますし、この考え方が、世界の潮流である現代社会の価値観なのです。
まとめ:幸せな働き方を自ら選ぼう
ということで、
今日は「働き方」の日本の現状と世界の潮流について話してきました。
私も早くFIREな生活をしたいものです。
それでは、今日はこれで^^