読書レビュー

【私たちは子どもに何ができるかの読書レビュー】非認知能力は3才までが勝負です

こんにちは。
年間100冊以上の本を読むフリーのファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。

今日は「読書レビュー」です。

皆さんは最近

「非認知能力」

が話題になっているのをご存知ですか?

お子様の教育をしている、先生をしているという人は特にご存知かもしれませんが、

私たちの能力は、分け方の1つとして、

  • 認知能力
  • 非認知能力

という分け方があります。

この分け方をした場合の「非認知能力」が最近注目されているのです。

今日はこの「非認知能力の育成」について注目した「私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む」という本のレビューをしていきたいと思います。

この本を読めば、

  • 「非認知能力」とは何か
  • 「非認知能力」を獲得する機会は?
  • 大人の/親の私たちには何ができるのか

がわかりますよ。

ぜひ、「子どもを持つ親の方」「将来子どもを持ちたい方」「子どもの教育に興味がある方」には
読んでいただきたい一冊です。

この本の構成

「非認知能力」と注目されるアメリカの低所得者層の教育における現状の確認

「非認知能力」をつける絶好の期間と機会について

「非認知能力」をつけるために実際に行われている教育について

ディーパーラーニングについて

の流れに沿って、

  1. 逆境
  2. 戦略
  3. スキル
  4. ストレス

  5. トラウマ(心的外傷)
  6. ネグレクト
  7. 幼児期の介入
  8. アタッチメント(愛着)
  9. 家庭への介入
  10. 家庭を超えて
  11. 学習のための積み木
  12. 規律
  13. インセンティブ
  14. モチベーション(動機付け)
  15. 評価
  16. メッセージ
  17. マインドセット(心のありよう)
  18. 人間関係
  19. 学習指導
  20. 課題
  21. ディーパーラーニング(より深い学習)
  22. 解決策

の章に分けて説明が展開されています。

今日はこの章をまたぐように、上記の構成の流れで解説していきます。

「非認知能力」とは/注目される背景

「非認知能力」とは、

ひとつのことに粘り強く取り組む力(GRIT)や内発的に物事に取り組もうとする意欲

のことを言います。

2013年アメリカ合衆国における教育の状況で、
公立学校に通う生徒の中で「低所得者層」に相当する割合が過半数を超えました。

低所得者層の子どもへの指導という難題が、
もはやアメリカの教育において副次的な問題ではなくなった瞬間です。

経済格差ではよく「富裕層」と「低所得者層」の格差が取り上げられますが、
近年、教育においても、この両者には「教育格差」も生まれていることが話題になっています。

また、この格差は20年前から全く縮んでいません。

教育は所得に関係なく平等に与えられるべきですし、それを提供するのが「政府」の役目です。

しかし、現状として、

「大学卒業ができなければ、子どもは貧困から抜け出すのは難しい」
「学士号を取得していない場合、最も収入の低い層から抜け出せるのは二人に一人」

と、教育格差がその後の人生に与える影響は大きいです。

この問題を解決するために注目されているのが「非認知能力」です。

低所得者層の子供達に対する教育を成功させるためには「非認知能力」が重要だと言われています。

非認知能力に焦点を当てた早期教育の子ども一人当たりの投資対効果は「13倍」にもなるといわれています。

IQなどの「認知能力」より、やりきる力などの「非認知能力」の方が、子どものその後の人生に与える影響は大きいのです。

しかし、子どもの貧困は、このような一生の財産となる非認知能力を獲得する機会を奪ってしまっています。

結果として、自身も親と同じように貧困となっているのが現実です。

「非認知能力」をつける絶好の機会と時期

さて、では、どのようにして「非認知能力」を身に付けるのでしょうか。

算数や理科のように、誰かから方法論を教えられることによって、「非認知能力」は身に付けることはできません。

「非認知能力」は

子どもを取り巻く「環境」の産物により身につくもの

なのです。

つまりは、

  • その子が健康であること
  • 本や教育玩具による知的刺激があること
  • 図書館に行ったり、美術館に行ったりし刺激を受けること
  • 大人同士が豊富な語彙で会話しているのを聞くこと

により、子どもは影響を受けていきます。

また、最近では、もちろん上記の環境も重要であるが、

環境による影響の中で子どもの発達を最も左右するのは、

ストレス

であると結論付けられています。

子供達は、いくつかの環境要因によって、長期にわたり不健全な圧迫を受け続けることがあり、
こうしたストレス要因が、子どもの心と体の健全な発達を阻害する度合いは、従来の一般的な認識よりもはるかに大きいとされています。

そして、この様な逆境は、特に幼い時期ほど、
知的機能を司る最も繊細で複雑な脳の部位の発達を阻害し、
感情面や認知面での制御能力が育つのを妨げます。

感情面→失望や怒りへの反応を抑えることに困難を覚えるようになる
認知面→複雑な指示に集中できず、学校生活にいつも不満を抱くようになる

などの影響が出ます。

子どもが感情面、精神面認知面で発達するために最初にして極めて重要な環境は

家、子供達が経験する人間関係、特に家族

です。

上記の様なストレスを与えないためにも、

子どものごく幼い時期に親が果たす決定的な役割の1つは、「子供達が受ける圧力(良いものも悪いものも含めて)の外部調整装置」となってあげる

ことです。

研究によれば、
特に子どもが動揺しているときに、親が厳しい反応などをすると、
後々、子どもは強い感情をうまく処理することができなくなります。

しかし、世話をする人が子どものもつれた感情に注意深く反応すれば、
子どもは不快な思いにも対処できる様になるのです。

子どものストレスを受けているときの、親の対応が重要で、親のほんの小さな配慮が子どもの発達を助けるのです。

そして、これらの親や大人、世話をする人の介入は

6歳未満の幼い時期、もっといえば3歳未満の時期

こそが、「子どもの発達を促す絶好のチャンス」の時期とされています。

これは同時に、「子どもの発達を損なう機器が潜む時期」ということもできます。

ごく幼い時期の子供の脳は最も柔らかく、他のどの時期よりも環境からの影響を受けやすいです。

のちに、「様々な能力を支えることになる神経系の基盤が形成の途上にある」からです。

この基盤が関わる能力には、読み書き計算や比較、推測を扱う知的能力だけ得なく、学校の内外で生きていくための心の習慣や力、物の見方まで含まれます。

良い環境にいれば先々の発達によって非常によく、悪い環境にいれば非常に悪い影響が出ます。

「非認知能力」をつけるために実際に行われている指導・教育について

「非認知能力」は、子どもがその後の人生をより良く歩んでいくために重要で
「非認知能力」を身に付けるには「ストレスから守ってあげたり、配慮が必要だったり、知的刺激を与えたり」する必要があるとわかりました。

この本はアメリカで書かれた本なので
アメリカで実施された行政の指導とその効果についてここから先まとめられています。

その中の1つ「ELエデュケーション」の取り組みが紹介されており、
「クルー」という制度で、生徒たちはグループ単位で数年にわたって一緒に話し合いをしたり助言を受けたりする。

ELの生徒たちは手の抜けない厳しい課題を長時間かけてやり遂げ、
教師はグループで協力して取り組み、クラス全体、学校全体、などに向けた発表によって完結。

一般的な公立学校より講義の時間がかなり少ないにも関わらず、
ELのプログラムは生徒の成績に大きなプラス影響をもたらしているという現状です。

子供達が性格を学び取るには、サポートを受けながら、思い切ってやってみることを継続的に強いられる必要があります。

意義ある難題に出会い、乗り越えることが、学業への前向きなマインドセットを作る上で決定的な要素となるのです。

その環境を用意してあげることが、今の子供達にできる行政の役目なのかもしれません。

ディーパーラーニングについて

ELの提携校に広く行きわたっている学習のテクニックは

ディーパーラーニング

ともつながっています。

ディーパーラーニングの提唱者たちが奨励するのは以下のような教育です。

  • 探求型の指導→教室で教師がただ講義するのではなく、生徒に議論させること
  • プロジェクト型の学習→生徒たちが、大抵はグループで、仕上がるまでに何週間・何ヶ月もかかるような複雑な課題に取り組むこと
  • 実績重視の評価→生徒たちを期末試験の特典で判断するのではなく、彼らが一年かけて築いた実績、プレゼンテーション、文章、芸術作品などで評価すること

これらの取り組みは、生徒たちの知識や知力が伸びるだけでなく、「非認知能力」もまた伸びます。

これからの学校はこの様な教育に今すぐ切り替えるべきです。

しかし、このディーパーラーニングを重視する今日の風潮の最大の短所は、
「貧困層の多い学校よりも裕福な地区の学校での導入の方がはるかに進んでいる点」
です。

ディーパーラーニングのテクニックを取り入れることのできる人材や自由をもった学校は、
多くが豊富な資金のある私立学校か、裕福な地域の公立学校となっています。

「経済格差を起因とする教育格差を是正するための制度」がより「教育格差」を広げる要因になるかもしれない、というデメリットは
政府こそが解決しなければならないでしょう。

なぜなら、うまくいけば貧困層の生徒たちにも大きな利益をもたらすのですから。

まとめ:子どもにわたしたちができることは介入すること

ということで、
今日は「私たちは子どもに何ができるかの読書レビュー」を行ってきました。

不利な状況下にある子供達の人生に介入してあげることー学校でより良い教育を受けさせること・家で支えが得られる様に親が手助けすることーは
貧困撲滅の戦略として、子供達にわたしたちができることです。

子どもがいる人であれば自身の子どもに
子どもがいない人でも周り・友人の子どもに良い影響が出るように行動してあげましょう。

それでは、今日はこれで^^