企業分析

Tencent /テンセントの企業分析【MITテクノロジーレビュー賢い会社50企業の強み・ビジネスモデルを徹底解説】

こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。

ツナモンスター
ツナモンスター
最近街中で「WeChat Pay」っていう文字を見るようになったよね。
中国の企業らしいけど、中国はスマホ決済の先駆けの国だよね。
この支払い方式を提供している会社はゲーム市場でトップの会社らしいけど、
どんな戦略と強みがある企業なんだろう?
詳しく教えて!

世界で1億人以上がプレイする人気PCゲームを運営する「Tencent」

今日は、

中国・Tencent/テンセント

の企業分析をし、

  • Tencentの事業内容
  • Tencentの強み
  • Tencentの今後の戦略

を明らかにしたいと思います。

★テンセント株(00700)は上場しています!

テンセントの株式は香港市場に上場しているので証券口座を開設すると売買ができます!

証券口座を開くなら手数料が業界最低水準のSBI証券がおすすめです!

Tencent/テンセントってどんな会社?

Tencent

メッセージアプリ・オンラインゲーム開発

をしている企業です。

1998年に馬化騰(ポニー・マー)により設立されました。

Tencentは今や、

ゲームの売上高でソニーやマイクロソフトを上回って世界トップの企業

です。

Tencentが提供しているサービスやゲームは

  • QQ
  • QZone
  • WeChat
  • WeChat Pay
  • League of Legends
  • 王者栄耀(Honor of Kings)

などが挙げられます。

TENCENT TIMELINEより)

世の中ではスマホ決済導入の流れもあり、「WeChat Pay」という文字を街中で見たことがある人もいるかもしれません。

同社が提供するメッセージアプリ「WeChat」の月次アクティブユーザー数は2020年6月に全世界で12億人を超え、その影響力は計り知れません。

ゆえに、彼らが持つ技術力と影響力から、MITテクノロジーレビューの選ぶ「賢い会社50」にランクインしています。

 企業名事業内容
1NVIDIA (米)半導体の製造開発
2Space X (米)ロケット開発
3Amazon (米)EC・クラウドサービスの提供
423andMe (米)遺伝子検査の実施・レポート販売
5Alphabet (米)検索エンジン・クラウドコンピューティング
6iFlytek (中)音声認識システムの開発
7Kite Pharma (米)バイオ医薬品の研究開発
8Tencent (中)メッセージアプリ・オンラインゲーム開発
9Regeneron (米)バイオ医薬品の研究開発
10Spark Therapeutics (米)バイオ医薬品の研究開発

世界のゲーム市場

世界のゲーム市場は毎年成長し続けています。

今後数年間もゲーム市場は成長し続け、2023年末には2,000億ドルの大台を超え、2,008億ドル(CAGR +8.3%)となると推測しています。

全てのゲームセグメントにおいてユーザーエンゲージメント・収益共に増加傾向にあります。

中でも、2020年のモバイルゲーム市場は最大の増加幅を見せ、YoY +13.3%で成長し772億ドルに達すると見込んでいます。

2019年ゲーム業界で一番稼いだ企業はソニーですが、2位がTencentです。

Tencentの事業内容と強み

Tencentの主要事業2分野は以下の通りです。

  1. ゲーム事業
  2. WeChatを主としたSNS事業

売上構成比は

・付加価値サービス事業の第4四半期の売上高は前年同期比20%増の523億800万元(約8,100億円)
 《内訳、オンラインゲーム事業・・・同25%増の302億8,600万元(約4700億円)・SNS事業・・・同13%増の220億2,200万元(約3,400億円)》
・フィンテックおよび法人向けサービス事業の売上高は前年同期比39%増の299億2,000万元(約4,600億円)
・インターネット広告事業の売上高は前年同期比19%増の202億2,500万元(約3,100億円)

(テンセント決算報告書より(筆者翻訳加筆))

とゲーム事業による売上がトップとなっていますが、最近はフィンテックおよび法人向けサービス事業の売上も上がってきています。

Tencentを代表するゲームは

  • 王者栄耀(Honor of Kings)
  • League of Legends
  • 和平精英(Game for Peace)
  • PUBG MOBILE

などがあります。

Honor of Kingsはスマホ向けMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)ゲームで大ヒットのゲームとなっており、League of Legendsは多くのゲームレビューサイトなどで高評価を得ており、数の多いPCゲームとされています。

SNS事業は先ほどもお伝えした通り、WeChatの月間アクティブユーザーは「12億人」を超えており、中国の人口は「13.86億人」なので、約80%の人が利用していることとなります。

日本でよく使われている「LINE」の月間アクティブユーザーは「約8,000万人」なので、WeChatの利用者の多さにはびっくりしてしまいますね。

中国人の暮らしのあらゆる面に関わるWeChatは、

SNS機能のみならず、モバイル決済やゲーム、動画共有等の多彩な機能

を提供しています。

みなさんもWeChat Payという言葉は来たことがあるかと思います。

2013年から中国でサービスを開始して現在、ユーザー数は全世界で10億人以上、コンビニ、スーパー、百貨店、飲食店、個人の商店など中国国内で30万以上の店舗で利用されており、中国国内で広く認知されている決済システムです。

Tencentの今後の戦略

さて、QQ、QZone、WeChatのコミュニケーションプラットフォームを軸に、付加価値サービスとしてゲーム・コンテンツを提供してきたTencentですが、現在力を入れている分野として「金融・融資分野」が挙げられます。

みなさんも

WeChat Pay/微信支付

という言葉は聞いたことがあるでしょう。

WeChatユーザーは銀行からおカネをWeChat Paymentに入金し、それを映画代金、ゲームのポイント、クレジットカードの支払、ECサイトの支払いへと使うことができます。

WeChat PaymentではTencentが15%出資する中国第2のECモール「京東商城(JD.com)」での導入に加えて、「モバイル決済」が基本となっています。

驚くべきはその使い勝手です。
たとえば飲食店で割り勘をするときは、相手先と金額を指定するだけで簡単に支払いが完了します。
交通機関でも利用でき、日本でいうSuicaやWAONよりも圧倒的に対応できる場所が多いという印象です。

中国では「財布を持ち歩く人がいなくなった」という声が出るくらい、スマホ決済が浸透しました。

「WeChat Pay」はその一役を担ったアプリなのです。

「WeChat Pay」は決済機能を提供することで手数料を徴収していますが、将来的にはマイクロローンなどの融資の機能も追加することも視野に入れています。

決済・融資のFinTechまでTencentのプラットフォームで完結

するということです。

Tencentは金融分野でのサービスが拡張することで、以下の通り収益が伸びると予測しています。

すでに「オンライン広告」よりも収益を上げており、今後「金融・融資」分野はTencentの収益源の主軸となるかもしれません。

ゲーム分野では、Tencentは新たなサービスを提供し始めました。

クラウドゲーミングサービス

です。

「ハードウェアを所有しなくても人気のゲームを遊べる」というのは数年前ははるか遠い夢でしたが、インターネットの高速化と間もなく展開される5Gネットワークのおかげでそれが現実のものとなろうとしています。

Tencentでは「Start」という名前で提供されています。

他社では、「GoogleのStadiaや、MicrosoftのxCloud」が提供されています。

Tencentの株価について

Tencentは「香港証券取引所」に上場しています。

TradingViewより)

2008年には香港ハンセン株価指数の構成銘柄になっていますので、比較的初心者でも安心して取引できる銘柄かと思います。

まとめ:Tencentの成長

ということで今日は「Tencent」の企業分析をしてきました。

「金融・融資分野」はこれからどんどん伸びそうな分野なので、これからもTencentの成長は期待ができそうですね。

それでは今日はこれで^^

★テンセント株は「SBI証券」で買い付けできます!



【中国企業の企業分析】今注目すべき中国企業の企業分析をまとめました こんにちは。元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。 この記事では「ユニコーン企業の企業分...