こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。
今日は「資産運用」についてのお話です。
こんなツイートをしました。
株式をやっていると監視していた株がいきなりめっちゃ値下がっているように見える時がありますが
本当に値下がりしている時もあれば
「株式分割」
の場合もあります。
「ん?」と思った時は「銘柄 株式分割」で調べてみましょう✌🏻逆に
「株式統合」もあります🤔 pic.twitter.com/uH7Zu0Oi4b— Natsumi💹ファイナンシャルアドバイザー×ブログ毎日更新 (@723to___) June 25, 2019
みなさんは
「株式分割/株式併合」
という言葉を聞いたことはありますか?
「株式分割/併合」は企業にとっても投資家にとってもメリットがある制度です。
ということで今日は
「株式分割/併合」
について説明をしていきたいと思います。
Contents
株式分割とは
株式併合の仕組み
株式分割とは、字の通りで「株式を分割すること」を言います。
具体例で説明していくと、
ある企業・A社の株が「1株10,000円」だったとします。
そしてあなたはA社の株を「1株」保有しているとします。
この企業が1:2の割合で「株式分割」をしますと決めた場合
あなたの保有しているA社株は「2株で10,000円となり、1株5,000円に値が変わる」のです。
株数は2倍になり、株価は1/2になりました。
「1株10,000円/2株5,000円×2=10,000円」となりますので、資産状の価値は変わりません。
あなたが保有しているのは、「A社の株10,000円分」ということに変わりはないのです。
つまり、どういうことが起こったかというと、企業側としては
資本金を変えずに株式の発行数を増やすことができた
ということになります。
分割の割合は企業が決めています。
3分割・4分割など様々な割合で行われます。
株式分割の企業側のメリット
株式分割の企業側のメリットは2つあります。
- 株価が下がることでより多くの投資家の売買が見込める
- 株数が増えることで流動性が高まる
の2つです。
株式分割をすれば株価は下がります。
株価が下がれば売買できる投資家の数が増えます。
例えば、100株600万円の株式を売買できる人は限られているかもしれませんが、100株100万円の株式を売買できる人は、100株600万円の株を売買する人よりは多いと予測できます。
企業は「より多くの人に株式を保有してもらうこと」を望んでいます。
だからこそ、高くなってしまった株価を株式分割で低くすることは企業にとってメリットがあります。
また、株式が増えることで流動性が高まります。
増えた株式の分売買回数が増えるでしょうし、その株を他の投資家が保有してくれれば株主の数を増やすこともできます。
よって、株式分割は
企業が「株式の流動性を高めたい/株主数を増やしたい」という意向がある場合に行われる
ということができます。
株式分割の投資家側のメリット
投資家側から見たメリットはどうなるでしょうか。
- 一部売却ができるようになる
- 受取配当金の総額が増える可能性がある
まず、株数が自動的に増えることになるので一部売却することができるようになります。
株式取引の自由度が増えるのは投資家にとって利点であると言えます。
また、受け取る配当金の金額が上がる可能性も出てきます。
株式分割に伴って配当金の金額を企業が変えていたら話は別ですが
もし配当金の額は据え置きだった場合、配当金は「1株あたり○円」と規定されているので、保有数が増えればその分配当金も増えます。
これらは投資家にとってのメリットとなります。
株式分割の予定
株式分割の予定や分割割合はこちらのサイトで公表されています。
自分の持っている株が株式分割が今後予定されているかどうか確認してみると良いと思います。
株式併合とは

株式併合の仕組み
次に株式併合とは、こちらも読んで字のごとく「株式を併合」することです。
具体例で説明していくと、
ある企業・A社の株が「1株100円」だったとします。
そしてあなたはA社の株を「10株」保有しているとします。
この企業が10:1の割合で「株式併合」をしますと決めた場合
あなたの保有しているA社株は「1株で1,000円となり、1株1,000円に値が変わる」のです。
株数は1/10になり、株価は10倍になりました。
「10株1,000円/1株1,000円」となりますので、資産状の価値は変わりません。
あなたが保有しているのは、「A社の株1,000円分」ということに変わりはないのです。
つまり、どういうことが起こったかというと、企業側としては
資本金を変えずに株価の引き上げが行われた
ということになります。
株式併合の企業側のメリット
では、株式併合の企業側のメリットは何なのでしょうか。
- 株価の引き上げを行える
- 発行済株式数を減らせる
- 東京証券取引所の定める取引基準に合わせる
の3つのメリットが株式併合にはあります。
まず、先ほども話した「株価の引き上げ」を行えることについて話していきます。
株式市場では、株価が200円以下の株式を「低位株」と言います。
この「低位株」は投機の対象となりやすく、株価の変動が激しいです。
企業としては投機筋によって株価が大きく変動することは避けたいです。
よって、株式併合で株価を引き上げることで低位株ではなくすことを狙っています。
また、発行済株式数を減らせることも企業にとってはメリットです。
企業にとっては発行済株式が膨大になっていることも問題点となります。
1株あたりの株式の価値が少なくなりますから、株主にとってはあまり旨味がないからです。
株主は、その企業の株式の価値が上がって値上がりしてくれることが嬉しいからです。
そのため発行済株式が過剰になってしまっている企業は、「株式併合」を行うことにより、適正な水準にまで発行済株式を減らしたいという思惑があります。
最後に、東京証券取引所が定める売買代金に関する推奨というものがあります。
必要最低投資金額を「5万円以上50万円未満」にすることを推奨する、というものです。
推奨なので、絶対条件ではありませんが、企業によっては、裁定取引金額を5万円以上にするために株式併合を行うところもあるのです。
株式併合の投資家への影響
ここで注意いただきたいのは、
「投資家の保有株式数」と「併合割合」によっては「端株」になってしまう可能性がある
ということです。
端株とは、1株未満の株のことです。
端株の最小単位は0.01株、つまり1株の100分の1になります。
端株は通常の取引では発生しませんが、株式分割や企業の合併の際の株式交換などによって発生することがあります。
端株:SMBC日興証券より
もしあなたが、B社の株を100株保有していたとして、B社の株が2:1で併合されることとなった場合、あなたが保有している株式数は50株になってしまいます。
その場合は市場では100株以上100株単位での取引しかできないため、市場での相対取引ができなくなってしまいます。
もちろん端株には端株用の取引がありますので売却することはできますが、市場で売却するという取引の自由度が減ってしまう可能性が出てきます。
株式併合の予定
株式併合の予定は以下のサイトで公表されています。
自分の持っている株式が株式併合の予定がないか確認してみると良いと思います。
まとめ:株式分割と併合には注意しよう
ということで、今日は「株式分割/併合」について説明してきました。
企業側にとってはメリットがある一方、投資家にとってはデメリットとなってしまうこともありますので株式分割や併合の情報は常にチェックするようにしましょう。
それでは今日はこれで^^