企業分析

ステートグリッドの企業分析【フォーチューングローバル500企業の強み・ビジネスモデルを徹底解説】

こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。

今日も「企業分析」をしていきたいと思います。

ツナモンスター
ツナモンスター
世界最大の電力配送企業って中国の企業なんだって?
どんな戦略で世界最大の電力配送企業になったんだろう?
強みや戦略を詳しく教えて!

中国国営で送電最大手の「国家電網/ステートグリッド」

今日は、

中国・国家電網公司/ステートグリッド

の企業分析をし、

  • ステートグリッドの事業内容
  • ステートグリッドの強み
  • ステートグリッドの今後の戦略

を明らかにしていきたいと思います。

ステートグリッドってどんな会社?

ステートグリッド

世界最大の電力会社

です。

従業員は100万人近く、顧客は11億人にも達する、

太陽光発電や風力発電といった新エネルギーの設備容量も世界一の会社

です。

AIなど先端技術へのR&D投資に旺盛な企業でもあり、2017年時点で特許取得件数はファーウェイを超えて中国で1位です。

前身は、

全国の送配電網と全ての発電所を統括していた国家電力公司

です。

フォーチューングローバル500の総売上トップ10にランクインしています。

順位企業名総売上
1ウォルマートアメリカ55兆5,557億円
2中国石油化工集団中国44兆7,821億円
3ロイヤルダッチシェルオランダ42兆8,280億円
4中国石油天然気集団公司中国42兆4,414億円
5国家電網公司中国41兆8,020億円
6サウジアラムコサウジアラビア38兆4,377億円
7BPイギリス32兆8,037億円
8エクソンモービルアメリカ31兆3,428億円
9フォルクスワーゲンドイツ30兆608億円
10トヨタ自動車日本29兆4,420億円

電力市場について

世界の電力消費の増加の大部分は、アジアで発生しました。


グローバルエネルギー世界イヤーブック2019より)

中国の電力需要は堅調な経済成長と産業需要を背景に加速、インド、韓国、日本、インドネシアでも需要が増加しました。


グローバルエネルギー世界イヤーブック2019より)

電力需要は毎年伸び続けていますが、伸びは主にアジアによるものです。

今後の電力動向については、以下のように予測がされています。

・発電電力量は2040年までに約60%増加(2018年比)し、増加分の約90%が発展途上国である
・2040年の全発電電力量の約半分が低炭素電源(原子力含む)になる
・再エネが2040年までに世界の全発電設備の半分強を占める
・太陽光発電設備は2025年には風力を、2035年には水力を、2040年には石炭を抜く

世界の電力会社のランキングは以下の通りです。

1中国・ステートグリッド
2イタリア・エネル
3フランス・フランス電力会社
4日本・東京電力
5日本・関西電力
6フランス・エンジー
7スペイン・イベルドローラ
8アメリカ・GE
9ドイツ・シーメンス
10ドイツ・エーオン

ステートグリッドの強み

ステート・グリッドは、ブラジルに海外で初めて(そしていまも唯一)の超高圧送電設備を建設し、すでに当地最大の電力配送会社です。

国際市場での交渉経験もあります。

また、オーストラリア、ギリシャ、イタリア、フィリピン、ポルトガルでも送電会社への投資を急増させています。

一方、エジプト、エチオピア、モザンビーク、パキスタンでは大規模プロジェクトを進めており、その他の欧州の公益会社の株式取得も継続しています。

現在は、北極圏の風力と赤道付近の太陽光を利用する50兆ドル(約5,700兆円)規模の世界的な電力網の構築を計画しており、推定費用50兆ドルは米国と中国の国内総生産(GDP)を合わせた額の2倍に近い額となっています。

国家電網は長距離送電技術を現在も利用、開発しており、このプロジェクトはある意味、同社の注目度を高めるマーケティング活動にもなっています。

世界的な送電網の中核となるのが、電力をへき地にある発電拠点から世界中の都市まで長距離輸送するための「超高圧」送電技術です。

同社はこうした長距離送電線をすでに7本建設し、さらに10本に着工しています。

エネルギー分野の専門家によると、これらの計画の成功は野心的で国際的なプロジェクトの実現可能性を証明するのに役立つといいます。

ステートグリッドの今後の戦略

世界のエネルギー転換に対応すべく、中国国家電網公司は2019年年始大会において、

  • 強靭なスマートグリッド
  • ユビキタス電力IoT

を構築し、

  • ハブ型
  • プラットフォーム型
  • 共有型

という3つの特徴を併せ持つ、

エネルギーインターネット企業への展開を推進する「三型両網」

という戦略を提唱しました。

ユビキタス電力IoTとは、モバイルインタラクティブ、人工知能といった現代的情報技術や先進的通信技術を活用して、電力系統の各プロセスのIoE(Internet of Everything)とマンマシーンインタラクティブを実現し、状況の全体的感知、高確率の情報処理や便利で機敏な応用といった特徴を備えるスマートサービスシステムである。

感知そう、ネットワーク層、プラットフォーム層、応用層の4層構造を包摂する。

ストロングスマートグリッドとユビキタス電力IoTは相互補完の形で融合的に発展して、強大な価値創造プラットフォームを形成するとともに、エネルギーフロー、業務フロー、データーフローの「三流合一」のエネルギーインターコネクションを構成する。

中国国家電網公司が電力IoTの建設を加速より

ステートグリッドの株価

ステートグリッドは上場していません。

まとめ:アジアの電力需要の恩恵を受ける企業

ということで今日は「ステートグリッドの企業分析」をしてきました。

数日間に企業分析した4社はすべてエネルギー企業でしたが、石油にしても電力にしても「エネルギー」は儲かりますね。

川下での利益が乗せやすいらしいです。

それでは今日はこれで^^