こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。
この記事では「企業分析」をしていきます。
日本にも優れた技術を持ったユニコーン企業があるんだってね!
今日紹介する会社は、環境問題を解決できる「新素材」を作った会社なんだって。
どんな事業をやっていて、どんな強みがあるのか詳しく教えて!
夢の素材である「クモの糸」を人工的に作ることに成功したspiber。
今日は、
spiber
の企業分析をし、
- spiberがどんなことをやっているのか
- spiberの強みはなんなのか
- spiberの今後の戦略
を明らかにしていきたいと思います。
spiberってどんな会社?
spiberは
世界初の合成クモ糸繊維「QMONOS」の開発・製造
している会社です。

慶應義塾大学先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)でクモの糸を研究していた関山和秀が、強靱かつ柔軟な「クモの糸」を現代技術によって製品化・量産化をすることを目的に設立しました。
「クモの糸」を作ることは、過去NASAが開発に取り組むも開発を断念したほど難易度の高いことであると言われてきましたが、2013年「クモの糸」を人工的に生成し産業用に量産する技術を確立したと発表したがこの会社です。
このような技術力や成長力もあり、STARTUP BPが毎月発表する「国内スタートアップ想定時価総額ランキング 最新版(2020年6月時点)では、国内7番目に時価総額の大きい1,007億円をつけています。

spiberの事業内容・強み
「とても強靭で夢の繊維と言われるクモの糸を活用すれば、環境によく抜群の性能を持った素材を作れるのではないか」という関山社長のアイディアから生まれた「『人工』のクモの糸」。
クモの糸が夢の繊維と言われる理由は、
- 天然のクモの糸は鋼鉄の4倍の強度、炭素繊維の15倍といわれる強靭性がある
- ナイロンを上回る伸縮性
- 鋼鉄や炭素繊維よりも軽い
- 耐熱性が高い
- 「フィブロイン」と呼ばれるタンパク質からできており、原料を石油に依存することなく生物によって生産が可能で、生分解性があるため再資源化も可能
であることです。
このような稀有な素材であるため、1990年頃からNASAや米軍、デュポン社など、世界中の名だたる大企業が挑戦してきましたが、技術的・コスト的に課題が多く、実用化は困難と見られていました。
しかし、spiberはクモのDNAを人工的に完全合成する技術の開発などを行い、2013年に世界初の合成クモ糸繊維「QMONOS(クモノス)」の量産化に成功しました。
「QMONOS」は加工方法によって、繊維はもちろんフィルムやゲル、スポンジ、パウダー、ナノファイバーなど、様々な形態での供給が可能なため、あらゆる産業に応用可能なフレキシビリティーな素材といわれ、これまでの石油由来の繊維を置き換えるともいわれています。
とはいえ、天然のクモの糸がそうなように、水に濡れるとゴムのように伸びてしまうといった品質の問題もあり、製品化はなかなかされませんでした。
そしてついに、製品化に使われることになった素材が、ブリュードプロテインです。
ブリュード・プロテイン™は、植物由来のバイオマスを主な原料とし、Spiber独自の微生物発酵(ブリューイング)プロセスによりつくられるタンパク質素材です。
上記のMOON PARCAはゴールドウインが展開する「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」と開発した商品で、既に販売されています。
spiberの今後の戦略
spiberはクモノスの本格的な量産化に向け、同社初の人工構造タンパク質の発酵・精製プロセスを担う生産拠点をタイに建設しました。
2021年に商業生産の開始を目指しており、出荷された人工構造タンパク質は本社内の紡糸設備で繊維に加工される予定だです。
そのほかにもDNAにデジタルデータを書き込む技術を応用して、工業利用微生物に著作権を証明するタグを組み込む新技術、「CELL-ID™」を開発など革新し続けており、今後の技術展開・成長が期待されるところです。
またクモの糸の開発者である関山氏のTED Talksでは、クモの糸の始まりや研究について語られておりますので是非ご覧ください。
まとめ
というこで今日は「spiberの企業分析」を行ってきました。
環境問題に取り組む企業が価値を評価され、ユニコーンになるというのはとっても良いことですよね。
これからの成長が楽しみです。
それでは今日はこれで。
