企業分析

中国石油化工集団公司/シノペックグループの企業分析【フォーチューングローバル500企業の強み・ビジネスモデルを徹底解説】

こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。

今日も「企業分析」をしていきたいと思います。

ツナモンスター
ツナモンスター
世界でめちゃくちゃ売り上げている石油の企業は中国の企業らしいね。
どんな戦略の会社なんだろう?
詳しく教えて!

中国国営の石油大手である中国石油化工(シノペックグループ)。

今日は、

中国・中国石油化工集団公司(シノペックグループ)

の企業分析をし、

  • 中国石油化工集団の事業内容
  • 中国石油化工集団の強み
  • 中国石油化工集団の今後の戦略

を明らかにしたいと思います。

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シノペックグループってどんな会社?

シノペックグループとは、

中国の国営企業で石油大手

の会社です。

中国石油天然気股份有限公司、中国海洋石油有限公司とならぶ、中国国内の三大石油会社の1つです。

傘下の「中国石油化工股份有限公司(シノペック)」の事業は、石油・天然ガスの探査・採掘、精製、運輸、販売、および石油化学製品、化学繊維、化学肥料などの製造・販売など、石油事業の川上から川下に及んでいます。

また、石油・ガスの備蓄とパイプライン輸送、石油と石油化学製品の輸出入事業も行っており、石油化学製品の生産では中国1位、原油生産では中国2位です。

フォーチュン誌が毎年1回発表している、世界中の会社を対象とした総収益ランキングフォーチューンのグローバル500社ランキングで2位にランクインしています。

順位企業名総売上
1ウォルマートアメリカ56兆641億円
2中国石油化工集団(シノペック)中国43兆5,499億円
3国家電網公司(ステートグリッド)中国41兆779億円
4中国石油天然気集団公司中国40兆5,669億円
5ロイヤルダッチシェルオランダ37兆6,753億円
6サウジアラムコサウジアラビア35兆2,868億円
7フォルクスワーゲンドイツ30兆2,553億円
8BPイギリス30兆2,399億円
9Amazon.comアメリカ30兆158億円
10トヨタ自動車日本29兆4,558億円

石油・エネルギー市場について

世界の石油需要はここ数年下がり続けています。

世界の地域別石油需要の推移・見通しより)

国際的な原油価格は、リーマン・ショックの影響により2009年前後に一時的な急落を見せたものの、2004年以降は一貫して上昇基調にありました。

しかし、2014年後半以降、原油価格は大幅な下落に転じます。

理由は、

  • 中国などの新興国の成長率減速などによる需要の伸び悩み
  • 米国での大幅なシェールオイル増産
  • 石油輸出国機構(OPEC)をはじめとする主要産油国の高水準生産

など、全世界的な供給過剰感が背景と言われています。

原油価格の低迷は、世界中の石油・天然ガス開発企業に大きな打撃を与えました。

「スーパーメジャー」と呼ばれる世界を代表する5社(ExxonMobil、Shell、BP、Chevron、Total)の石油・天然ガス開発企業においても、2016年の純利益は2014年比で約76%、投資額は約37%減少しています。


世界の地域別石油需要の推移・見通しより)

2000年前後はアジア通貨危機やOPECの合意などにより原油価格が急落するなど、市場環境や事業環境においても大きな転換点がありました。

米国の代表的な株価指数であるS&P500が1985年から2000年にかけて7倍強に拡大するなど、株式市場が著しく発達し、成熟産業とみなされていた石油産業は、株主からより強い圧力に晒され、利益率向上のための経営合理化を迫られました。

こうした背景から、オイルメジャーは2000年前後に大規模な再編期を迎えることとなります。

そして、ヨーロッパやオーストラリアにおけるガソリン車の販売禁止が今後予定されていたり、石油製品の需要が減少に転じたりしていることから、これらの地域においては、従来の精製設備では効率的に供給することができなくなるという需給のミスマッチが顕在化しています。

世界の地域別石油需要の推移・見通しより)

そのため、オイルメジャーでは、需要減少が見込まれる先進国地域での下流事業、特に石油精製事業を縮小し、今後の経済成長に伴う需要増加が見込まれるアジア地域等へ資本の移転を進め、石油製品のトレーディングを通じて全体の需給バランスを最適化することにより、収益の最大化を追求する対応を進めています。

こうした先進国地域における企業とは別に、これまで上流分野での国外投資に積極的であった中国の国営石油企業においても、下流分野での国外進出、とりわけ、今後成長が見込まれるミャンマー、カンボジア、シンガポールなどアジア地域における製油所の取得等の投資が進められています。

また、シノペックがサウジアラビア等においてサウジアラムコとの合弁による製油所を新設し、ペトロチャイナがイギリスやフランスなどにおいて製油所を取得するなど、アジア地域以外への進出の動きも見られます。

こうした動きを通じて、世界規模で最適な石油供給ネットワークを構築しようとする取組が進められています。

シノペックグループの強み

事業セグメントは石油精製、石油製品の販売・流通、油田・ガス田の探鉱および開発、化学製品の製造販売の4つに分かれており、そのうち石油精製部門の比率が半分以上を占めています。

さきほど、シノペックグループは国営企業であるとお伝えしましたが、前身は、

1983年に創設された「中国石油化工総公司」

です。

前身の「中国石油化工総公司」が、石油産業のうちの川下(石油精製および石油製品製造、その流通)および関連産業の石油化学基礎製品の製造を担っていました。

その後、石油産業の川上(石油採掘)と川下(石油精製および石油製品製造、その流通)は分業され、川上を「中国石油天然気総公司」、川下を「中国石油化工総公司」が担っていました。

2001年の世界貿易機関の加盟を控え、石油製品の国内流通・販売において国外の石油メジャーとの競争が予測されていたために、1998年に中国政策当局は国内石油産業の大改革を行いました。

中国石油化工総公司と中国石油天然気総公司は共に事業再編を行い、川下と川上の垂直統合を行うとともに、国土南北における地理的分業を行いました。

加えて、両社はそれぞれ中国石油化工集団公司(シノペック)および中国石油天然気集団公司 (CNPC)に改名再登記し持株会社となり、事業部門は分離して子会社化しました。

この背景もあり、中国石油化工集団は石油精製やガソリンスタンドなど下流部門に強みを持ちますが、石油開発などの上流部門が弱いです。

そのため、近年では、世界資源大手のスペイン・レプソルYPFの株式20%の取得したりし、手薄な上流部門の強化を行なっています。

こうした経営行動により、

中国国内の石油・ガスの探査および生産事業は安定し原油の上流生産を活性化させ天然ガス生産を効率的に拡大した一方、効率改善によって単位当たり総生産コストを削減

しました。

厳しい競争の中でもグループは生産と販売部門の強力を深めたため、石油製品の国内販売も増加しました。

グループは生産と販売、調査、応用の一体化を進め、それぞれの顧客のニーズに対応してサービスを細かく調整したことで、化学製品の販売量も前年の2017年より増加しました。

精製油の販売を積極的に拡大し、初めて4,000万トンを超えました。

潤滑油の総販売額は前年比で5%増加し、このうち高級品は10%の急増でした。

グループはまた国内、同時に輸出拡大によって海外で、化学原料と石油製品の多様な需要に応じようと努めました。

海外の石油・ガス事業は既存の上流事業の運営でコスト管理を強化し、資産処分を積極的に進め、海外でのバレル当たり現金操業コストをさらに削減する結果になりました。

シノペックグループの今後の戦略

習近平国家主席が国内エネルギー安全保障の強化を呼びかけたことに応えて、中国の石油大手3社である中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)、中国石油化工(シノペック)、中国海洋石油(CNOOC)は、数千本もの試掘井を新設しています。

しかし、シノペックはこれまで採掘事業よりも精製事業が中心であり、国有石油大手の中では保有するリソースも最も小さいため、「ライバルに後れをとる可能性がある」とアナリストは指摘しています。

各社の提出書類を元に計算すると、2017年末までにシノペックが保有していた石油の確認埋蔵量で生産を続けられる期間は6年に満たない可能性があります。

これに比べて、CNOOCの場合は10年です。

またシノペックが保有する天然ガスの可採年数も8年であり、ペトロチャイナの24年には大きく見劣りします。

シノペックは今年、四川省で同社がターゲットとする2カ所目のシェール層の開発を含め、投資を加速させるものとみられるものの、同社の関係者によれば、新たな発見に向けた気運は衰えているといいます。

「シノペックはそういった問題を認識しているが、それを何とか解決しようという意欲が経営トップのところで妨げられているように見える。
というのも、むしろ下流部門の石油化学企業であるという自己認識があるからだ」とウッド・マッケンジーのペトロフ氏は語った。

ということで、この石油事業の拡大をシノペックが国の後押しも受けて進めていくか「自分たちは川下の企業だ」という姿勢を変えないでそのままにするかによっては、シノペックがこれからも総収益を伸ばしていくのか、それとも他の中国石油企業に抜かれてしまうのかの分かれ目になるかもしれません。

シノペックの株価について

シノペックは香港、上海、ロンドン、ニューヨークの各証券取引所に上場しています。

対面証券・ネット証券共にどこの証券取引所のものでも取引ができますので、「好きな通貨/好きな取引市場」で選ばれると良いと思います。

Traving Viewより)

まとめ:シノペックとペトロチャイナの合併はいかに

ということで、今日は「シノペックグループの企業分析」をしてきました。

石油エネルギーは今地球上に住んでいる人には欠かせないものとなっているため、収益がすごいですよね。

エコの流れはあっても、発展を臨限り石油は強いのかな、とも思ってしまいました。

過去には中国の石油企業であるシノペックとペトロチャイナが合併するかもしれないという話もあったようで、グローバル500に選ばれている2社が合併するとウォルマートを凌駕するので、それは破壊力がある出来事だなと思いました。

今後の中国の石油企業の動向はこれから追っていきたいなと思いました。

それでは今日はこれで^^

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