企業分析

ロイヤルダッチシェルの企業分析【フォーチューングローバル500企業の強み・ビジネスモデルを徹底解説】

こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。

今日も「企業分析」をしていきたいと思います。

ツナモンスター
ツナモンスター
ロイヤルダッチシェルといえば、エクソンに次ぐ世界第2位の規模をもつ石油会社だよね。
石油会社って売り上げがすごいイメージがあるけど、なんでだろう?
強みや戦略を詳しく教えて!

みなさんも、「貝殻のマーク」のガソリンスタンドは1度はみたことがあるでしょう。

旧セブン・シスターズの1つで、欧州最大の石油メジャーであるロイヤルダッチシェル。

今日は、

オランダ・ロイヤルダッチシェル

の企業分析をし、

  • ロイヤルダッチシェルの事業内容
  • ロイヤルダッチシェルの強み
  • ロイヤルダッチシェルの今後の戦略

を明らかにしていきたいと思います。

ロイヤルダッチシェルってどんな会社?

ロイヤルダッチシェルは、

ヨーロッパ最大のエネルギーグループ

です。

第二次世界大戦後から1970年代まで、世界の石油の生産をほぼ独占状態に置いたセブン・シスターズ7社の内の1社です。

本拠地はオランダにあり、もともとはロイヤル・ダッチとシェルは競合他社で、1900年台初頭にロスチャイルド家の後押しで合併しました。

この貝殻のロゴは見たことがある人も多いでしょう。

ロイヤル・ダッチ・シェルの事業は、垂直統合で行っており、探鉱 、生産、輸送、精製、販売までの事業を一括でしています。

また、事業の多角化を早くから行っており、石油事業、ガス事業、石炭事業、化学事業、原子力発電事業、金属事業など様々な事業を保有しています。

フォーチューングローバル500社のトップ10にランクインしています。

順位 企業名 総収益
1 ウォルマート アメリカ 55兆5,557億円
2 中国石油化工集団 中国 44兆7,821億円
3 ロイヤルダッチシェル オランダ 42兆8,280億円
4 中国石油天然気集団公司 中国 42兆4,414億円
5 国家電網公司 中国 41兆8,020億円
6 サウジアラムコ サウジアラビア 38兆4,377億円
7 BP イギリス 32兆8,037億円
8 エクソンモービル アメリカ 31兆3,428億円
9 フォルクスワーゲン ドイツ 30兆608億円
10 トヨタ自動車 日本 29兆4,420億円

 

石油・エネルギー市場について

世界の石油需要はここ数年下がり続けています。


世界の地域別石油需要の推移・見通しより)

また、国際的な原油価格は、リーマン・ショックの影響により2009年前後に一時的な急落を見せたものの、2004年以降は一貫して上昇基調にありました。

しかし、2014年後半以降、原油価格は大幅な下落に転じます。


世界の地域別石油需要の推移・見通しより)

理由は、

  • 中国などの新興国の成長率減速などによる需要の伸び悩み
  • 米国での大幅なシェールオイル増産
  • 石油輸出国機構(OPEC)をはじめとする主要産油国の高水準生産

など、全世界的な供給過剰感が背景と言われています。

原油価格の低迷は、世界中の石油・天然ガス開発企業に大きな打撃を与えました。

「スーパーメジャー」と呼ばれる世界を代表する5社(ExxonMobil、Shell、BP、Chevron、Total)の石油・天然ガス開発企業においても、2016年の純利益は2014年比で約76%、投資額は約37%減少しています。


世界の地域別石油需要の推移・見通しより)

2000年前後はアジア通貨危機やOPECの合意などにより原油価格が急落するなど、市場環境や事業環境においても大きな転換点がありました。

米国の代表的な株価指数であるS&P500が1985年から2000年にかけて7倍強に拡大するなど、株式市場が著しく発達し、
成熟産業とみなされていた石油産業は、株主からより強い圧力に晒され、利益率向上のための経営合理化を迫られました。

こうした背景から、オイルメジャーは2000年前後に大規模な再編期を迎えることとなります。


世界の地域別石油需要の推移・見通しより)

そして、ヨーロッパやオーストラリアにおけるガソリン車の販売禁止が今後予定されていたり、石油製品の需要が減少に転じたりしていることから、
これらの地域においては、従来の精製設備では効率的に供給することができなくなるという需給のミスマッチが顕在化しています。


世界の地域別石油需要の推移・見通しより)

そのため、オイルメジャーでは、需要減少が見込まれる先進国地域での下流事業、特に石油精製事業を縮小し、今後の経済成長に伴う需要増加が見込まれるアジア地域等へ資本の移転を進め、
石油製品のトレーディングを通じて全体の需給バランスを最適化することにより、収益の最大化を追求する対応を進めています。

こうした先進国地域における企業とは別に、これまで上流分野での国外投資に積極的であった中国の国営石油企業においても、
下流分野での国外進出、とりわけ、今後成長が見込まれるミャンマー、カンボジア、シンガポールなどアジア地域における製油所の取得等の投資が進められています。

また、シノペックがサウジアラビア等においてサウジアラムコとの合弁による製油所を新設し、ペトロチャイナがイギリスやフランスなどにおいて製油所を取得するなど、アジア地域以外への進出の動きも見られます。

こうした動きを通じて、世界規模で最適な石油供給ネットワークを構築しようとする取組が進められています。

ロイヤルダッチシェルの強み

ロイヤルダッチシェルの強みは

液化天然ガス(LNG)分野

です。

2018年12月期決算も、原油や液化天然ガス(LNG)の値上がりで、資源開発を担う上流分野の採算が大きく改善しています。

2015年には、英同業大手のBGグループを470億ポンド(約8兆4,000億円)で買収しており、

強みを持つ液化天然ガス(LNG)などの成長分野への投資

を行なっています。

BGグループは、オーストラリアや東アフリカのLNG事業や、ブラジル沖の大水深油田の開発を手がけています。

また、ロイヤルダッチシェルといえば「シナリオプランニング」で有名です。

▶︎ SHELL SCENARIOS

直近では2018年に「スカイシナリオ」が発表されています。

シナリオとは「起こり得る未来を解説するストーリー」のことで、
世界中から多様な方法で集められた情報を基に、想定される未来の動向をまとめる作業を行い、シナリオを作成します。

シナリオ・プランニングは、今後の世界を動かす重要な政治、経済的なイベント、主要な登場人物や組織、 彼らの意図、世界を動かすロジックを抽出し、そこから複数の未来像(シナリオ)を描く、という。
その過程では、確実なことは共通させるが、不確実な要素によってシナリオを分岐させ、違った未来を描く。
そこで興味深いのは、複数のシナリオを聞いた人はそれぞれのシナリオが同じ確率で起きると感じるように工夫する点だ。
シナリオ・プランニングは未来予測の答えを示すのではなく、経営トップ層が将来、起きる大変化への対処や備えを戦略的に考えたり、すでにもっている経営計画が未来の変化に耐えられるかをチェックする目的だからだ。
言葉を換えれば「答えではなく、 問いかけで経営トップを刺激する」(角和氏)ことが目的となっている
。このような仕組みを考えつき、それを実行できるプランナーたちをもっているゆえにシェルは世界のさまざまな企業が一目おく存在になったのだろう。
シェル・シナリオ・プランニングより

(シェルのシナリオプランニングについてはこちらの記事もわかりやすかったです)

シェルを現在の地位に押し上げたのは、石油業界にとっての激動で、逆風ともいえる1970年代でした。

そこには、「変化を迅速に認識し、変化に的確に適応すること」を可能にしたシナリオ・プランニングの活用があったのです。

ロイヤルダッチシェルの今後の戦略

ロイヤル・ダッチ・シェルは自社のビジョンを、

石油企業から電力会社へと方針転換

をするとしています。

同社は、

2030年代までに「世界最大の電力会社」

を目指しており、

油田開発の探査段階のアセットを売却し、再生エネルギー関連のアセットを買い入れています。

例として、シェルは北海の風力発電ファームに出資しています。

しかし、一般的に石油企業より電力会社の方が利益率が低いので、同社が掲げる8%-12%のリターンが可能かどうかは分からないところです。

ガス、再生可能エネルギー事業を統括するマーテン・ヴェツェラー取締役の発言にも、

事業としては多角化していくと思う。
かつてシェルの事業の中で石油関連の占める割合は最も大きかったが、今では天然ガスの方が大きくなっている
向こう10~15年で石油需要のピークが到来し、将来的に石油事業はシェルの中で1番小さなものになる。

今世紀中にシェルの事業で一番大きな部分を占めることになるのは低炭素の電力事業だ。
そして電力事業とつながりのあるガス事業が相当大きな規模であることはアドバンテージになる。
再生可能エネルギーにも年間20億ドルの投資していく方針だ。
石油のシェルは「電力とLNGの会社」になるより

とあり、

石油→電力/天然ガス会社

への転換はこれからも進んでいくと見られます。

ロイヤルダッチシェルの株価

ロイヤルダッチシェルはオランダのユーロネクスト・アムステルダム、ロンドン証券取引所、ニューヨーク証券取引所上場企業に上場しています。

ロイヤルダッチシェルAとBがあり、もともとのロイヤル・ダッチ株がA、シェル株がBとなります。

11/7の終値は「27.24ユーロ」です。

  • 時価総額 2162.03億
  • 株価収益率 12.03%
  • 配当利回り 6.14%
  • 52 週高値 29.40ユーロ
  • 52 週安値 24.52ユーロ

まとめ:電力から電気へ

ということで、
今日は「ロイヤルダッチシェルの企業分析」をしてきました。

昨日のシノペックグループもそうですが、
「石油エネルギー事業」は儲かりますね。

電気事業に移行してもフォーチューングローバル500社には余裕で入るくらいの収益を出す気がします。

それでは今日はこれで^^

★ロイヤルダッチシェルの株は「SBI証券」で買い付けできます!
→「イギリスADR ロイヤルダッチシェルB株」の売買が可能です。