こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。
目の薬を開発しているらしいんだけど、
どんな技術でどんな薬を作っているんだろう?
詳しく教えて!
「加齢黄斑変性」の治療薬開発で注目されている「Regeneron」。
今日は、
アメリカ・Regeneron
の企業分析をし、
- Regeneronの事業内容
- Regeneronの強み
- Regeneronの今後の戦略
を明らかにしたいと思います。
Regeneronの株式はナスダック市場へ上場しているので証券口座を開設すると売買ができます!
証券口座を開くならアメリカ株式がリアルタイムで取引でき手数料が業界最低水準のSBI証券がおすすめです!
Contents
Regeneron/リジェネロンってどんな会社?
Regeneron Pharmaceuticals(リジェネロン・ファーマシューティカルズ)は
バイオ医薬品研究開発
している会社です。
1988年、レオナルド・シュリーファーにより設立されました。
バイオベンチャーといえば「アムジェン、ギリアド・サイエンシズ、セルジーン」などが有名ですが、Regeneronも成功したバイオベンチャーの1つです。
ギリアドについては先日の「Kite Phrama」の時に話しましたね。

重病患者の治療を対象とする医療製品の研究開発と商品化を手がけ、
がん、眼病、慢性炎症の治療薬(臨床試験段階)、またその他の病気や障害を対象とする治療薬(前臨床段階)を保有
しています。
その技術力から、MITテクノロジーレビューの選ぶ「賢い会社50」にランクインしています。
企業名 | 事業内容 | |
1 | NVIDIA (米) | 半導体の製造開発 |
2 | Space X (米) | ロケット開発 |
3 | Amazon (米) | EC・クラウドサービスの提供 |
4 | 23andMe (米) | 遺伝子検査の実施・レポート販売 |
5 | Alphabet (米) | 検索エンジン・クラウドコンピューティング |
6 | iFlytek (中) | 音声認識システムの開発 |
7 | Kite Pharma (米) | バイオ医薬品の研究開発 |
8 | Tencent (中) | メッセージアプリ・オンラインゲーム開発 |
9 | Regeneron (米) | バイオ医薬品の研究開発 |
10 | Spark Therapeutics (米) | バイオ医薬品の研究開発 |
バイオ医療品市場
世界のバイオ医療品市場は、拡大し続けています。
世界の医療品市場が拡大する中で、年々バイオ医薬品の売り上げは増加しており、2016年には約2,012億ドル(バイオ医薬品比率31.5%,抗体医薬品891億ドル)に達し、今後も2022年には約3,249億ドル(バイオ医薬品比率37.5%、抗体医薬品1,728億ドル)に達する、と売上の増加が予測されています。
バイオ医薬品市場の最も大きな市場はアメリカですが、日本市場においても拡大しており、
2016年には約1腸4,219億円(バイオ医薬品比率13.6%、抗体医薬品8,943億円)となっています。
また、開発されている薬の数も増えています。
今後のバイオ医薬品市場の拡大の予測の根拠には、開発品目の増加が挙げられる。
バイオ医薬産業の課題と更なる発展に向けた提言:医薬産業政策研究所リサーチペーパーズ シリーズより
開発中の抗体医薬品の増加に伴い対象疾患の拡大が見られ、標的分子数も承認された品目は41であるのに対し開発中の品目では232と増えている。
これからもバイオ医薬品市場は伸びていくことが予想できるでしょう。
過去1年間の収益ランキングは以下の通りです。
Regeneronが開発・発売する薬と強み
Regeneronは
がん、眼病、慢性炎症の治療薬(臨床試験段階)、またその他の病気や障害を対象とする治療薬(前臨床段階)を保有
していると上記しましたが、Regeneronが開発し、FDA(米国食品医薬品局)に製造販売を承認された薬剤は「7つ」あります。
しかも、すべて自社開発です。
大変素晴らしい研究成績だと言われています。
そのうちの1つ、EYLEA(アイリーア)は年商10億ドルを超える「加齢黄斑変性治療薬」となっています。
「加齢黄斑変性」は、
加齢により網膜の中心部である黄斑に障害が生じ、見ようとするところが見えにくくなる病気です。
加齢黄斑変性は一般には馴染みの薄い病名かもしれませんが、欧米では成人の失明原因の第1位で珍しくない病気です。
加齢黄斑変性:日本眼科学会より
という病気です。
治療方法はいくつかありますが、Regeneronのアイリーアは薬物による治療の薬で、薬物を目の中に注射することで病気を治していきます。
加齢黄斑変性の治療薬市場は拡大しており、現在は
- Novartis(ノバルティス)の「ルセンティス」
- Regeneronの「アイリーア」
が、圧倒する市場となっています。
特に2011年11月に欧米で成人の失明原因の第1位となっている加齢黄斑変性の治療薬であるアイリーアが承認されて以降、 2012年から2015年の4年間で売上高は9.2倍となり、当初、赤字が続いていた営業利益についても、2012年以降は黒字が計上されています(図表1参照)。
競争力のある眼科薬が業績をけん引するリジェネロン:ピクテ投信投資顧問株式会社より
Regeneronをここまで成長させたのは
独自の研究開発システム
のおかげです。
今、世界中の製薬企業が注目する抗体医薬品ですが、Regeneronはこの抗体医薬品を速く効率的に見つけ出し製剤化するシステムを構築しました。
Regeneronの今後の戦略
Regeneronのアイリーアは今後も市場で圧倒的な存在であり売上高は伸びると予測されています。
アイリーアはルセンティスよりも持続性が高いことから投与の回数が少なくてすむという利点があり、2015年にはルセンティスの売上高を上回り、滲出型加齢黄斑変性治療薬ではトップの売上となりました。
また今後の売上高見通しでも、アイリーアは2016年から2019年にかけて年率12%で売上が伸びると予想されています。
また、アイリーアの他にもRegeneronには阻害剤で既に承認を受けているものや治験中のパイプラインを含めて有望な治療薬があります。
開発中の治療薬候補は、適用拡大も含めてフェーズ3が7つ、フェーズ2が6つ、フェーズ1が15つあります。
アイリーアと共に同社の業績をけん引する治療薬となることが期待されています。
Regeneronの株価について
Regeneronはニューヨーク市場に上場しています。

Kite Phartmaの時もお伝えした通り、バイオ医薬品業界は他社の動向や治験の結果により、株価がとても左右されやすい分野です。
ニュースは必ずチェックし、注意して取引することをオススメします。
まとめ:バイオ医薬品には夢がある
ということで今日はRegeneronの企業分析をしてきました。
Kite Phartmaの時も思いましたが、やはりバイオ医薬品企業には夢がありますね。
ぜひ世界からなくなってほしい病気の治療薬を作っている会社の株を
保有したいなと思いました。
それでは今日はこれで^^