企業分析

Origamiの企業分析【フィンテック企業の強み・ビジネスモデルを徹底分析】

こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。

今日は「企業分析」をしていきたいと思います。

ツナモンスター
ツナモンスター
最近モバイル決済を使う人が増えたよね。スマホだけで決済が済むから財布を出さなくて便利だよね〜。

「Origami」って会社がモバイル決済では取り組みが早かったらしいけど、
どんな戦略の会社なんだろう?
詳しく教えて!

ということで今日は、

日本・Origami/オリガミ

の企業分析をし、

  • Origamiの事業内容
  • Origamiの強み
  • Origamiの今後の戦略

を明らかにしていきたいと思います。

Origamiってどんな会社?

Origamiは、日本の

フィンテック企業

です。

Origami公式サイトより)

あなたも既に使っているかもしれない、「モバイル決済手段」の1つを提供しています。

今や当たり前になりつつあるモバイル決済を、国内で最初期からサービスを提供しているのがOrigamiです。

その技術力や成長力が評価され、現在の企業価値は「417億円」と言われ、

日本経済新聞社の「NEXTユニコーン調査」で企業価値を算出した181社のうち、フィンテック企業の14社の中にランクインしています。

▶︎ フィンテック、金融の空白補う 企業価値200億円超7社 解剖 NEXTユニコーン調査:日本経済新聞

モバイル決済業界について

2019年は特に、日本ではモバイルアプリを使った決済サービス、いわゆる「QRコード決済(バーコード決済)」の話題が盛り上がった年でした。

そもそも日本はキャッシュレス化の遅れている国であり、2016年時点で、支払いの80%以上が「現金」によって行われていました。


キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識:NRIより)

諸外国のキャッシュレス化の現状と比べてみると、いかに日本人が「現金好き」かがおわかりいただけると思います。

2004年にNTTドコモから登場した「おサイフケータイ」は、世界的にも先進的な取り組みで、国内でもケータイで決済が可能であることを印象付けましたが、

世の中に「キャッシュレス化」の流れをもたらすことはできませんでした。

その後、2018年に政府より「2020年にキャッシュレス40%を目指す」という発表もあり、

2018-2019年にかけて、キャッシュレス化の流れが一気に促進しました。

今日頻繁に使われることになった「QPコード決済」ですが、「QRコードを決済に使うというアイデア」は自体は比較的昔からあり、

2013年初頭にMastercardが発表した「MasterPass」というサービスでは、店頭での支払いオプションとしてNFCの代わりにQRコードを採用していました。


モバイル決済の基礎知識:東証マネ部より)

特に、日本国内では既にFeliCaインフラが広域展開され、Type-A/B方式の非接触決済サービスの大手チェーンを中心とした導入が視野に入っている中、

なぜ「2018-2019年にQRコード決済がここまで浸透したのか」と疑問に思う方もいるでしょう。

そこには、潜在するニーズを従来の非接触決済だけでは満たすことができず、その隙間を埋めるべく登場したのがQRコード決済だった、という理由があります。

そして、そのように登場したQRコードが人々に定着するまでに至った理由は以下のようにまとめられています。

  1. (主に中国からの)インバウンド需要への対応
  2. ポイント連動などアプリを使った独自の決済サービスの仕組みを作りやすい
  3. インターネット事業者など新しい参入者にとってハードルが低い
  4. 既存の決済ネットワーク(CAFISなど)を介さずにシステムが構築しやすい
  5. タブレットやスマートフォン、POSにアプリを入れるだけでよいので小売店にとっての導入ハードルが低い

なぜいま日本で「QRコード決済」が注目を集めているのか? (1/3):IT media mobileより

つまり、

  1. QRコード決済を必要とする買い物客がいる
  2. (市場トレンドはあるものの)クレジットカード決済導入のための設備投資には慎重(または予算や時間がない)

という2つの差し迫ったニーズがあり、一時的であれQRコード決済の導入の機運が高まっているというわけです。

このような経緯や、各社ともにポイントプログラムを組み合わせた顧客の自社経済圏への囲い込みを見込めることもあり、

2019年末時点で、多数のモバイル決済が提供されています。

主なモバイル決済アプリは以下の通りです。

  • PayPay
  • LINE Pay
  • Origami Pay
  • メルペイ
  • 楽天ペイ
  • Apple Pay
  • Google Pay
  • au Pay
  • d払い
  • ファミペイ

2019年7月にジャストシステムが、マーケティングリサーチに関する情報サイト「Marketing Research Camp」で、ネットリサーチサービス「Fastask」を利用して実施した「Eコマース&アプリコマース月次定点調査(2019年6月度)」では、

スマホ決済の利用率1位は「LINE Pay」、2位は「PayPay」:Market Research Campより)

多数あるモバイル決済のなかでも、「LINE Pay」と「PayPay」が広く使われていることがわかりました。

2019年数が増え続けたモバイル決済が、これからも増え続けるのか、それとも使われるアプリに集約され、他のアプリは淘汰されるのかが今後の注目です。

origamiの強み・ビジネスモデル

LINE Payと並んで国内で最初期からサービスを提供しているのがOrigamiです。

LINE Pay・d払い・楽天ペイは、メッセンジャー・携帯電話・EC等を背景とした顧客基盤をベースに、
更なるデータ取得と自社サービス拡充の入口として決済を押さえようとしていますが、

Origamiは決済以外のビジネスをベースとした顧客基盤を持たない企業です。

BuyCurrent Consultingのエグゼクティブ・パートナー内田秀一氏のレポート「OrigamiPayが生き残るには」によれば、

Origamiの戦略は、3つのキーワードと各施策に分かれており、

  1. ローカル・・・・信金中央金庫を核に信金と提携し、多種多様な加盟店の開拓(2018年度末 10万店舗を目標)と新サービスの提供を行う。
  2. グローバル・・・銀聯と提携し、アジアを始めとした24カ国・750万店舗でOrigamiPayを利用可能にする。一方で、Origamiの加盟店でも銀聯QRを利用可能にする。台湾の「JKOPAY(街口支付)」、中国「ALIPAY」とも提携す
  3. オープン・・・「提携Pay(Origami Partner Pay)」としてOrigamiPayの機能を開放し、他社アプリにも搭載可能とするSDKを提供する。

となっています。

つまり、あらゆる場面でOrigamiPayが使える環境を準備することで利用を拡大し、そのデータを活用した金融サービスを提供して収益を上げるモデルを想定しています。

この基本戦略は、一見他のQR決済事業者と大きく変わらないようであるが、オープンな仕組みを他の事業者に提供できるという点が、他社との差別化となりうる部分である、とのこと。

origamiの今後の戦略

とはいえ、上記の調査でも合った通り、乱立するモバイル決済の中で、主に使われているのは「LINE Pay」と「PayPay」というのが実情です。

2つのモバイルアプリのように人々に恒常的に使われるようになるためには、使い勝手が良い商品・サービスを安価に提供し、ユーザーを増やし続けることでネットワーク効果を働かせることが求められます。

その可能性について、「OrigamiPayが生き残るには」では、

  • 加盟店拡大に向けて・・・現在の信金との提携を加速するとともに、商店街といったグループに対してアプローチすることで、「皆がやるならやろうか」と思わせ、効率的に加盟店を獲得できる
  • 更なる利用拡大に向けて・・・個人間送金を提供し、利用者仲間同士の使い勝手のよい決済手段として活用を促す

のがよいのではないかと提起されています。

また、2019年9月27日、東京都内で開催された「Origami Pay Conference 2019」では、融資、投資、保険といった金融サービスを提供する「Origami Financial Services(ファイナンシャル・サービス)」を設立したと発表。


Origami Financial Service公式サイトより)

既存の支払い機能に加えて、提携金融機関の口座への入出金や送金が可能な「Origami Wallet(ウォレット)」を始めるとのこと。

先ほどもお伝えした通り、Origamiは、全国の信用金庫など提携パートナーにシステムやネットワークを提供し、パートナー独自のアプリの制作支援を行っています。

そのため、今回発表した新たな金融サービスは、Origami Payだけではなく、協力先のアプリでも同様に、金融商品を提案できる仕組みとなっています。

コード決済に続く次なる戦いの場は、金融サービスへと広がっていきそうです。

また、2020年1月23日に、メルペイは1月23日にOrigamiの子会社化することを発表しています。

メルペイはOrigamiの全株式を取得し、2月25日をめどにメルカリグループの一員となります。

まとめ

ということで、
今日は「Origamiの企業分析」をしてきました。

以前中国のアリババや、シンガポールのGrabの企業分析をしたときも
プラットフォームを持っている会社が、複数の事業を展開していく様子がありましたが、
それを日本でもやる会社が出てきたのはいいことですね。

それでは、今日はこれで^^