こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。
今日は「企業分析」をしていきたいと思います。
最近、中立的にお金の相談に乗ってくれるサービスを開発したみたい。
どんなサービスでどんなことができるんだろう?
その企業やサービスについて詳しく教えて!
ということで今日は、
日本・お金のデザイン
の企業分析をし、
- お金のデザインの事業内容
- お金のデザインの強み
- お金のデザインの今後の戦略
を明らかにしていきたいと思います。
お金のデザインってどんな会社?
お金のデザインは、日本の
フィンテック企業
です。
(お金のデザイン公式サイトより)
AI搭載の資産運用ロボアドバイザー「THEO(テオ)」のサービス提供をしています。
独自のアルゴリズムに基づき、一人ひとりに合った資産運用サービスを低コストで提供しており、
金融工学とITの融合によって、日本の資産運用の活性化や金融手続きの簡易化といった金融サービスの問題の解決を目的に設立されました。
2019年10月末時点で、ロボアドバイザー THEOの預かり資産は500億円、口座数が10万件を突破しています。
その技術力や成長力が評価され、現在の企業価値は「270億円」と言われ、
日本経済新聞社の「NEXTユニコーン調査」で企業価値を算出した181社のうち、フィンテック企業の14社の中にランクインしています。
▶︎ フィンテック、金融の空白補う 企業価値200億円超7社 解剖 NEXTユニコーン調査:日本経済新聞
ロボアドバイザー業界について
ロボアドバイザーとは、
投資家が資産運用する場合に商品選びから売買までを一任できるアルゴリズムを活用したサービス
です。
資産運用ロボアドバイザーは、2種類に分けることができ、
- 投資助言型・・・投資家に対して資産配分や投資対象の助言のみを行う
資産運用ロボアドバイザーの助言を参考に投資家自身で投資商品の発注や運用を行うもの - 投資一任型・・・助言に加えて運用まで行う
助言に加え、ポートフォリオの作成からリバランス、売買までをすべて自動で行うことができるシステム
となっています。
前者は、多くが銀行やネット証券会社等から無料で提供されており、後者はウェルスナビやTHEOなどで提供されています。
株式会社日本能率協会総合研究所が提供するMDB Digital Searchの資産運用ロボアドバイザーを調査によれば、
2023年度の資産運用ロボアドバイザー市場は約260万口座になると予測されています。
(資産運用ロボアドバイザー 2023年に260万口座規模に:プレスリリース・ニュースリリース配信サービスのPR TIMESより)
資産運用ロボアドバイザーはアメリカで先行して立ち上がった市場で、国内では2016年頃より市場が立ち上がりました。
投資一任型のロボアドバイザーは、人手を介して提供される金融商品に比べ低い手数料で利用でき、インターネット上でサービスの利用が完結します。
スマートフォンのみでもサービスの利用が可能で、運用も手軽という点が支持されています。
市場立ち上がり時は、投資経験者による分散投資の1つとして利用されていましたが、
2018年よりTVCMなどを用いたプロモーション展開や、最低投資金額が引き下げられたことで、一般投資家や投資未経験者にも利用が広がり、市場は大きく拡大しています。
また、他のネット銀行・証券等との連携が進められており、これらのユーザーへのアプローチが進められていることも利用者増加の要因となっています。
しかし、米国の2016年末時点の資産運用残高が約830億ドル(約9兆1,300億円ドル)と比較すれば、日本のロボアドバイザー市場はまだ黎明期にあるといえるでしょう。
お金のデザインの事業内容・強み・ビジネスモデル
5つの質問に答えるだけで、個人のリスク許容度に合った運用プランを提案、自動で取引ができるのが「THEO」です。
質問に答えると、以下のような結果が表示されます。
(THEO公式サイトより)
最低投資金額は1万円から、お申し込みはスマホだけで完了し、運用報酬も最大1.00%(税別・年率)と低コストではじめられる、新しい資産運用のカタチを提供しています。
THEOの特徴は、公式サイトに以下のように説明されています。
- 一人ひとりに合わせたおまかせ資産運用
5つの質問からお客さまの運用目的を推定し、一人ひとりに合わせた資産運用方針を設定。目的に応じた資産運用をTHEOが自動で行います。 - 最大30種類以上のETFから構成されたポートフォリオ
THEOのポートフォリオは、最大30種類以上のETF(Exchange Traded Fund=上場投資信託)から構成されています。細かく分解すると投資先は世界86の国・地域、最終的な投資対象は11,000銘柄以上になり、徹底的な分散投資を行うことでリスク低減を図っています。 - 目的に合わせて組み合わせる、性質の異なる3つの機能ポートフォリオ
長期的に高いリターンを狙う「グロースポートフォリオ」、相対的に安定的かつ着実にリターンを狙う「インカムポートフォリオ」、株式との相関を避けてリスクの軽減を狙う「インフレヘッジポートフォリオ」の3つを、目的別に組み合わせ運用します。 - CalPERSなど世界最大級の機関投資家も採用しているスマートベータ運用
市場全体のリスクをとることによるリターンに加え、その他の要因(スマートベータ)から生じるリスクを適切に組み合わせることにより、効率的にリターンの向上やリスクの低減を狙うのスマートベータ運用を採用しています。 - 直近4年間は参考指数のインデックス運用を上回るパフォーマンス
THEOの直近4年間のシミレーション(条件等は以下参照)では25.1%で、MSCIグローバル株式インデックスなど※の参考指数22.3%を2.8%上回っています。スマートベータ運用を採用することで、インデックスを上回る実績を今後も狙っていきます。
他にもお金のデザインは、
- iDeCoサービス「MYDC」
- 機関投資家向けチャネル「ARCA GLOBAL ASSET」
- ポイント投資プラットフォーム
などのサービスを展開。
テクノロジーを活用することで、金融・投資の深い知識がなくても、誰もが当たり前のように資産運用ができる世界の実現を目指しています。
このような取り組みのもと、提携先を増やすことで事業を大きくしています。
地域金融機関などパートナー企業との協業モデル「THEO+[テオプラス]」は、2017年4月山口フィナンシャルグループとの取り組みからはじまり、
その後福岡銀行(2017年7月)、新生銀行(2017年11月)、JAL(2017年11月)などと、次々とTHEO+ をスタート。
2019年2月現在では、THEO+提携企業数は計22社となり、全国に拡大しています。
また、ドコモユーザーに向けたさまざまな機能が搭載された資産運用サービス「THEO+ docomo」がスタートし、金融機関以外との提携も進んでいます。
お金のデザイン事業の沿革はこちらで確認できます。
お金のデザインの今後の戦略
お金のデザインが2018年に展開した事業で「お金の健康診断」というサービスがあります。
(お金の健康診断公式サイトより)
ユーザーの漠然としたニーズに基づいて、適切な専門家とマッチングする仕組みで、
匿名のまま、悩みや収入、家族構成、資産状況などを入力すると、アルゴリズムから専門家とつなげる、というサービスです。
チャットで悩みを相談し、具体的なやりとりをしたい場合は、連絡先などを明かして対面でのやりとりにつなげ、
イベントなどで入力してもらいFPが5分だけコメントするというトライアルを行ったところ、「満足度が100%だった」そうです。
THEOとの連携は、しばらく先の予定ですが、
THEO内で複数の金融商品を取り扱えるようになっていった場合は、利益相反を起こすことなくシナジーを得られるという考えのようです。
また、マネとも!のインタビュー記事で、マレーシアを含めたアジアへの事業展開も計画していると述べています。
「マレーシアでは、マーケティングのプラットフォームが日本以上に整っています。インスタグラマーなど、一気に普及するポテンシャルがあると思っています。早めに突っ込んでやったら一番最初に突っ切れる可能性があるので、アジアを取れるかなと。」
「アジアでディテールしている企業はまだゼロなので、ベンチャーとしてやるしかないなと。なので、海外でも同時並行でやっていきます。」
今後の事業展開には注目したいところです。
まとめ
ということで、
今日は「お金のデザイン」の企業分析を行ってきました。
ロボアドバイザーによる運用はいま注目されていますし、
「お金の健康診断」は、お金の相談をしたいけど、中立にアドバイスをもらいたい人にとっては
とても素晴らしいサービスだと感じました。
これからの事業拡大も楽しみですね。
それでは今日はこれで^^