企業分析

【企業分析】MITテクノロジーレビューが選ぶ「賢い会社50」トップ10企業についてまとめました

こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。

この記事では「企業分析のまとめ」をしていきます。

マサチューセッツ工科大学テクノロジーレビューが選んだ「賢い会社50」のトップ10企業の企業分析

の10企業の企業分析をまとめて見れます。

最もスマートな会社のテクノロジーとビジネスモデル、事業内容

まとめて理解していきましょう。

革新的なテクノロジーやビジネスモデルを持つ企業トップ10

トップ10の企業名と事業内容は以下の通りです。

企業名 事業内容
1 NVIDIA (米) 半導体の製造開発
2 Space X (米) ロケット開発
3 Amazon (米) EC・クラウドサービスの提供
4 23andMe (米) 遺伝子検査の実施・レポート販売
5 Alphabet (米) 検索エンジン・クラウドコンピューティング
6 iFlytek (中) 音声認識システムの開発
7 Kite Pharma (米) バイオ医薬品の研究開発
8 Tencent (中) メッセージアプリ・オンラインゲーム開発
9 Regeneron (米) バイオ医薬品の研究開発
10 Spark Therapeutics (米) バイオ医薬品の研究開発

トップ10の中では

  • アメリカ企業 8社
  • 中国企業 2社

という比率になっています。

業種としては、

  • バイオ医薬品分野 3社
  • ネットサービスの提供 2社

が多い比率の会社となっています。

いずれの会社も「今までの世の中の仕組みを変えてしまう」ような新しいサービスや薬などを提供している会社です。

NVIDIA/エヌビティア

NVIDIAは

半導体の製造開発

をしている会社です。

特に

GPU

の技術が優れている会社です。

GPUとは、

「Graphics Processing Unit」といい、画像処理を得意とするパソコンの部品

のことを指します。

エヌビディアHPより)

一秒に画像5枚しか処理できないCPUに比べ
エヌビディアのGPUは一秒に900枚もの画像を処理できる

という他社より優れた性能を持つGPUが、

AI技術やディープラーニング分野や自動運転分野で支持されていく

との予測から、優れた会社として選ばれています。

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SpaceX/スペースX

SpaceXは

ロケットや宇宙船の開発、打ち上げといった宇宙輸送

が事業の会社です。

ロケットの再利用という構想を掲げて宇宙開拓に革命をもたらしてきた

という取り組みが強みの会社です。

スペースX ユナイテッド・ローンチ・アライアンス社
コスト 9000万ドル 3億5000万ドル
積載量 スペースXの半分

 

ロケットの打ち上げの際、

回収して再利用できるものは、次の打ち上げの際に再利用することで、上記の通りまでコストを削減することができます。

更なるコスト削減が見込まれれば、宇宙輸送需要は飛躍的に拡大する

と想定されているため、

サウジアラビアの通信衛星アラブサット6aや、インマルサット社、ビアサット社といった民間企業の衛星がこのロケットを使って打ち上げられる予定です。

宇宙はまだまだ解明されてないことの方が多く、宇宙開発や宇宙資源の利用はこれからどんどん進んでいくと思われます。

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Amazon/アマゾン

Amazonは

ECサイトであるAmazon.comとクラウドサービスAWSなどを提供

する会社です。

おなじみのこのマークの会社ですね。

日本では多くの人が利用するECサイトAmazon.comの方がAWSよりも認知があると思いますが、

実は最近の収益の伸び率シェアでいうと「AWS」が好調です。

AWSとは「Amazon Web Services」の略で
アマゾンが提供するクラウドコンピューティングサービス

のことを言い、

仮想サーバーやストレージサービスの提供

が主な事業です。

アマゾンは自社の大量商品の在庫管理やデータ分析を行っています。

その強みとITを駆使して構築したインフラやアプリケーションを一般ユーザーにも公開しています。

クラウド市場は年々伸び続けていますし

ECサイトなどから得られるビッグデータをもとに新しいサービスを生み出せるAmazonはこれからも好調に業績を伸ばしていくと考えられますね。

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23andme/トゥエンティースリー・アンド・ミー

23andmeは

遺伝子検査の実施・レポート販売

が事業の会社です。

祖先・疾病リスクの解析

に特化した遺伝子検査を行なっています。

飛行機など輸送手段の発達や国際化が進んだことや、生まれた場所に限らず住む場所を選ぶ人が増えてきたこともあり、

「自分のルーツを知りたい」

というニーズに答えるサービスとなっています。

また、このようなキットが生まれたことで、

「自分の体質にあった食事を摂るために自分の体質を分析したい」

という新たなニーズも生まれました。

23andMeとしては

「個々人の遺伝子データ」を取得し
そのデータをもとに新たなサービスや医療処置を開発する

ことができます。

現に、

創薬分野では、2014年7月、米国国立衛生研究所(NIH)の助成金を受けて遺伝子解析目的のWebデータベースと検索エンジンの開発に着手することを発表し、同年8月には、ファイザーと共同で炎症性腸疾患(IBD)の原因解明に関する研究の計画を発表、さらに2015年1月、ジェネンテックと共同でパーキンソン病のゲノムデータ解析に関する研究の計画を発表するなど、人材補強の成果が具体化してきた。グーグル創業者の妻が起こす「遺伝子検査」革命:ZUU ONLINEより

と、

最も個人情報と言える「遺伝子情報」を使って、医療分野での事業拡大に力を入れています。

今後も様々な医療分野での事業展開が期待される会社です。

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Google・Alphabet/グーグル・アルファベット

Alphabetは

検索エンジンのGoogleの親会社

であり、

検索エンジン・クラウドコンピューティングを提供

する会社です。

日本ではまだYahoo! JAPANが一定の存在感を示すものの、

実はYahoo! JAPAN検索は、内部的にはグーグルの検索エンジンを利用しているので、実質的なシェアは日本でも90%を超えています。

というわけで、グーグルの検索エンジンは、中国やロシアなど一部の国を除き、世界で90%のシェアを占めています。

最近は、検索エンジンに限らず

分からないことがあったら「Google検索」
移動中に「YouTube」で動画視聴
携帯は「Android」を使用
データは「クラウド」保存

など、Googleの提供するサービスは私たちのいたるところに存在しています。

収益の柱は「Google」が主なシェアを占めていますが、

  • “Google Cloud”といった企業向けのクラウドサービス
  • “Alpha Go”(AIによる囲碁ソフト)で広く知られるようになった“Google Home”などのAIサービス
  • 自動運転車

まで事業を拡大しています。

自動運転事業の「Waymo」は、自動運転技術の開発競争においてトップに立っています。

個々のサービスによっては赤字が出ているものの
広告収益以外の収益もグーグルの売上に占める割合が増えてきているところであり、

Googleの売上はこれからも伸びていくと予測できるでしょう。

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iFlytek/アイフライテック/科大訊飛

iFlytekは

同社は主に音声認識、音声合成などの技術をもとに、音声メッセージソフトウェア、チップ製品、情報サービス、通信設備などを開発

している会社です。

音声認識システムといえば、

  • 翻訳機
  • 入力・検索サポートシステム

などが皆さんの身近なものになっていますが、

音声認識システムを使ったサービスは、

  • AIロボット
  • 音声電子カルテ

など

自動車製造、医療、金融、教育

と幅広い分野にまで利用が広がっています。

iFlytekの音声ベース技術は中国市場の70%を占めています。

音声認識の正確性は中国語で97%、英語で95%と、プロの速記者をも上回る高さです。

iFlytekは中国が2017年に発表した「AI産業促進のための3カ年計画」に大きく関わっています。

中国政府はAI大国となるための三カ年計画「促进新一代人工智能产业发展三年行动计划」を発表しましたが、その一翼を担うのがアイフライテックです。
医療分野がテンセント、スマートシティーがアリババ、クルマの自動運転がバイドゥで音声認識がアイフライテックの担当分野です。
中国政府のお墨付き企業というわけです。

世界をリードする中国のAI企業:アイフライテックより

中国ではアメリカ企業の進出が規制されています。

そのためアメリカに邪魔されることなく、力をつけていくことが予想されます。

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Kite Pharma/カイト・ファーマ

Kite Pharmaは

「がん治療薬」のバイオ医薬品の研究開発

をしている会社です。

一部のリンパ腫向けのキメラ抗原受容体T細胞(CAR―T)療法として知られる有望ながん治療薬「イエスカータ」を作っています。

2017年にこの「CAR-T治療」がアメリカの米国食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)から承認されたため、

がん治療の領域は非常に大きな進歩を遂げました。

Kite Pharmaのこの治療法は、

がん患者の免疫細胞の遺伝子に手を加えてがん細胞への攻撃能力を高める治療法

で、治療につなげる新しい治療法の開発で先行をしています。

薬価が高いのが現状の課題点であるものの、

がん治療で先駆けた研究と開発ができているKite Pharmaは、これから成長が望める企業ということができるでしょう。

2017年にその技術力を買われ、ギリアド・サイエンシズに買収されています。

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Tencent/テンセント

Tencentは

QQやwechatなどのメッセージアプリ・オンラインゲーム開発

をしている会社です。

WeChatの去年の月刊アクティブユーザーは「10億8250万人」となりました。

中国の人口は「13.86億人」なので、約80%の人が利用していることとなります。

中国人の暮らしのあらゆる面に関わるWeChatは、SNS機能のみならず、モバイル決済やゲーム、動画共有等の多彩な機能を提供しています。

中国では最近、専用アプリをダウンロードすることなくWeChat内でプレイできるミニゲームが主流になりつつあります。

強いソーシャル要素を持つ傾向にあり、プレイが簡単なこうしたゲームは、Douyin(TikTokの中国バージョン)を含め、ユーザーを惹きつけています。

さて、みなさんも

WeChat Pay/微信支付

という言葉は聞いたことがあるでしょう。

現在Tencentでは

金融・融資分野

に力を入れており、

将来的にはマイクロローンなどの融資の機能も追加することも視野に入れています。

決済・融資のFinTechまでテンセントのプラットフォームで完結

するということです。

また、iFlytekでも紹介した、中国が2017年に発表した「AI産業促進のための三カ年計画」にテンセントも大きく関わっています。

政府からの後ろ盾もありこれからも好調に業績を伸ばしていくと考えられます。

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Regeneron/リジェネロン

Regeneronは

重病患者の治療を対象とする医療製品の研究開発と商品化を手がける

会社です。

がん、眼病、慢性炎症の治療薬(臨床試験段階)、またその他の病気や障害を対象とする治療薬(前臨床段階)を保有

しています。

Regeneronが開発し、FDA(米国食品医薬品局)に製造販売を承認された薬剤は7つあり、

そのうちの1つ、EYLEA(アイリーア)は年商10億ドルを超える「加齢黄斑変性治療薬」となっています。

(Regeneron and Bayer drop AMD combinationより)

加齢黄斑変性の治療薬市場は拡大しており、

現在は

  • ノバルティスの「ルセンティス」
  • Regeneronの「アイリーア」

が圧倒する市場となっています。

アイリーアの他にも、Regeneronには阻害剤で既に承認を受けているものや治験中のパイプラインを含めて有望な治療薬があります。

開発中の治療薬候補は、適用拡大も含めてフェーズ3が7つ、フェーズ2が6つ、フェーズ1が15つあります。

アイリーアと共に同社の業績をけん引する治療薬となることが期待されています。

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Spark Therapeutics/スパークセラピューティクス

Spark Therapeuticsは

遺伝子治療に強みを持ち、血友病と先天性眼疾患に特化して研究開発を行なっている会社

です。

Spark Therapeuticsは

遺伝子治療を専門

としているところが強みです。

遺伝子治療はこれまで治療できなかった病気に使えるほか、効果が長く続くと期待されています。

眼科領域では17年に米国初となる遺伝子治療薬「ラクスターナ」の承認を得ています。

【電子版】革新的な眼疾患の遺伝子治療薬、米バイオ企業が9600万円で販売へ:日刊工業新聞より)

また、

2014年にアメリカの製薬会社であるファイザーと血友病Bに対する遺伝子治療の開発において提携を結びました。

遺伝子治療は治療によっては1億円以上の治療費がかかり値段が高いものの、
治療が1回限りで済むといったところが注目されています。

遺伝子治療の技術を買われ、2019年にはスイスのロシュ・ホールディングスに買収されています。

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まとめ:期待したい企業ばかりでした

ということで、
MITテクノロジーレビューが選んだ「賢い会社50」のトップ10の企業についてまとめてきました。

どれも素晴らしい技術やサービスを提供する会社で
これからもっとこれらの会社によって世の中が変わっていくんだなあ〜と感心しました。

ぜひみなさんそれぞれの詳しい企業分析も読んでみてくださいね。

それでは今日はこれで^^

★証券会社選びはどこが良いのか?
紹介した企業の中には上場している企業もあります。
SBI証券 を使って取引ができますので
ぜひ上記記事を投資の参考にしてみてくださいね。