こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。
中国ではリアルタイム通訳を可能にする音声認識技術を開発した会社があるみたい。
どんなことをやっている会社なんだろう?
詳しく教えて!
中国の音声認識市場で最大のシェアを握る「iflytek」。
今日は、
中国・iFlytek/アイフライテック/科大訊飛
の企業分析をし、
- iFlytekの事業内容
- iFlytekの強み
- iFlytekの今後の戦略
を明らかにしたいと思います。
Contents
iFlytekってどんな会社?
iFlytekは
音声認識システムの開発
をしている会社です。

日本ではあまり聞くことのない会社かもしれませんが
百度やアリババ、テンセントの中国の3大IT企業を猛追する企業
として、今注目されている会社です。
1999年、リュウ・チンフェン(刘庆峰)と中国科学技术大学(USTC)で出会った5人の共同創業者によって設立されました。
音声技術とAI技術を専門とするソフトウェア企業であり、
主に音声認識・音声合成などの技術をもとに、音声メッセージソフトウェア・チップ製品・情報サービス・通信設備などを開発
しています。
みなさんの身近にある「音声認識システム」は
- アップルのSiri
- グーグルのGooogleアシスタント
- アマゾンのAlexa
などが挙げられますね。
私も手で入力するのが面倒なときは音声入力を使いますが、とっても便利ですよね。
数年前より質がかなり改善され、入力間違えはほとんどなくなってきていると思います。
iFlytekもその技術はピカイチといわれ、MITテクノロジーレビューが選ぶ「賢い会社50」にも選ばれています。
企業名 | 事業内容 | |
1 | NVIDIA (米) | 半導体の製造開発 |
2 | Space X (米) | ロケット開発 |
3 | Amazon (米) | EC・クラウドサービスの提供 |
4 | 23andMe (米) | 遺伝子検査の実施・レポート販売 |
5 | Alphabet (米) | 検索エンジン・クラウドコンピューティング |
6 | iFlytek (中) | 音声認識システムの開発 |
7 | Kite Pharma (米) | バイオ医薬品の研究開発 |
8 | Tencent (中) | メッセージアプリ・オンラインゲーム開発 |
9 | Regeneron (米) | バイオ医薬品の研究開発 |
10 | Spark Therapeutics (米) | バイオ医薬品の研究開発 |
音声認識システム市場
音声認識システムの市場は年々拡大し、今後もその成長は続くと予測されています。
音声認識技術の世界市場規模は、2011年に既に470億ドル(約4兆7,000億円)で、年平均で16.2%ずつ成長しています。
さらに、コミュニケーションロボットなどを実現する上で音声合成技術も音声認識とは切り離せませんが、音声認識・音声合成技術全体としての世界市場は2025年に2,000億ドル(約20兆円)に達すると見られています。
音声認識システムといえば
- 翻訳機
- 入力・検索サポートシステム
などが、皆さんの身近なものになっていますが、音声認識システムを使ったサービスは
- AIロボット
- 音声電子カルテ
など
自動車製造、医療、金融、教育
と幅広い分野にまで利用が広がっています。
iFlytekの事業内容と強み
iFlytekの音声ベース技術は、中国市場の70%を占めています。
同社によると、毎日延べ15億人、開発者16万人、末端顧客7億人に同社のソフトウエアを提供しているそうです。
iFLYTEK翻訳機に搭載された各AI技術は国際コンテストで1位の座をキープし続け、世界No.1の精度を誇っています。
オバマ前大統領やトランプ大統領のスピーチではiFlytekの技術を使った「英語→中国語」の音声翻訳が利用されました。
中国に要人が来た時にスピーチをするときにiFlytekの技術を使うのは定番になってきているようです。
同社が開発した「智能会議系統(スマート会議システム)」は、会議中の発言をAIで認識し、自動で文字に変換してスクリーンに映し出す。
音声認識の正確性は中国語で97%、英語で95%と、プロの速記者をも上回る高さだ。
「中国発AI」で、通訳も速記も、もう必要ないより
声紋を分析して話者を識別できるのはもちろんのこと、中国語と英語だけでなく日本語や韓国語にも対応し、リアルタイムでスクリーンに対訳を表示する機能を併せ持つ。
中国語では、会議の要点を短くまとめた要約すら、自動で作成可能だという。
人間のような声を人工的に生み出す音声合成の技術も発達している。その名も「AIカスタマーサービスロボット」。
「中国発AI」で、通訳も速記も、もう必要ないより
中国火鍋チェーン大手で日本にも店舗を持つ、海底撈(ハイディラオ)などの外食企業で活用されている。
予約を取るため店舗に電話してきた客と、まるで人間同然のスムーズさでやりとりができる。
研究部門のトップを務める李世鵬・アイフライテック副社長は、「電話の相手が人間かロボットかを判別するのは難しい(くらいの自然さ)」と豪語する。
そのアイフライテックが手がけるのは、企業向けサービスだけではない。今年1月、アメリカのラスベガスで開かれた世界最大の電子機器見本市CESで発表した「AIノート」は、有望な製品の1つだ。
A5サイズで厚さは7.5mm、重さは360gと軽く、アマゾンの電子書籍リーダー「Kindle(キンドル)」を彷彿とさせる。
「中国発AI」で、通訳も速記も、もう必要ないより
電子書籍を読む機能もあるが、それだけではない。
スマート会議システムと同様、音声を自動かつほぼ同時に文字変換し、画面上に表示できるのだ。
まるでノートが速記者の代わりをしてくれるようである。
と「音声認識システム」を使った様々な商品をすでに幅広い分野に提供しています。

中国の国家政策にiFlytekは関わっている
iFlytekは中国が2017年に発表した「AI産業促進のための3カ年計画」に大きく関わっています。
中国政府はAI大国となるための3カ年計画「促进新一代人工智能产业发展三年行动计划」を発表しましたが、その一翼を担うのがアイフライテックです。
世界をリードする中国のAI企業:アイフライテックより
医療分野がテンセント、スマートシティーがアリババ、クルマの自動運転がバイドゥで音声認識がアイフライテックの担当分野です。
中国政府のお墨付き企業というわけです。
中国ではアメリカ企業の進出が規制されています。
そのためアメリカに邪魔されることなく、力をつけていくことが予想されます。
iFlytekの今後の戦略
音声認識システムの市場拡大のところで
音声認識システムは今後、自動車・医療・教育分野にも利用が拡大していく
と話しました。
実際、iFlytekもすでに教育分野の事業を拡大しています。

教育分野では、AIはテストの採点で期待を上回る成果を上げている。
江蘇省では2つの異なるAIに大学入試の答案を採点させるテストを実施したところ、中国語の作文の課題における2つのAI間の採点値の差異は平均7点以下で、一致度は92.82%と、人間の教員2名が採点する際の一致度よりも5%高い結果となった。同社は現在、中国教育部考試中心(テストセンター)と共同で教育向けのAI技術開発に取り組むAIラボを構築している。
iFlytekが目指す 言語を理解し、考えるAI:HueWaveより
iFlytekと提携する会社は今後も増えるでしょうし、それに伴い、同社の売上高もどんどん上がっていくことが予想されます。
また、2020年7月1日には日本にて「iFLYTEK 翻訳機2.0」の発売が開始されています。
日本で販売する商品についての説明はこちらの記事が分かりやすかったので読んでみるとよいでしょう。
iFlytekの株価
iFlytekは深セン証券取引所に上場しています。

上場はしていますが、市場が「深セン証券取引所」のためにSBI証券では取引はできません。
内藤証券という証券会社は中国株に強いらしくこちらでは取引ができるそうです。
「国策に売りなし」という格言があります。
もしかしたら今後化ける株になりかもしれませんね。
まとめ:中国企業の成長は爆発的
ということで、 今日は「iFlytekの企業分析」をしてきました。
調べていて魅力的すぎて私がこの株を保有したくなりました笑
ぜひ今後の事業展開に注目したい1社です。
それでは今日はこれで^^
