企業分析

エピックゲームズの企業分析【ユニコーン企業の強み・ビジネスモデルを徹底解説】

こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。

この記事では「企業分析」をしていきます。

ツナモンスター
ツナモンスター
「フォートナイト」っていうゲームが世界で最も人気あるゲームとして有名みたい。
どんな会社がどんな戦略で広めたゲームなんだろう!
気にあるから教えて!

2020年5月、3億5,000万人が利用しているとされている「フォートナイト」

アクティブユーザーでなく登録数ではありますが、アメリカの人口3億2,820万人(2019年、アメリカ合衆国国勢調査局調べ)を越える数字には驚きを隠せませんね。

そのゲームを開発したのが「エピックゲームズ」という会社です。

今日は、

アメリカ・エピックゲームズ

の企業分析をし、

  • エピックゲームズの事業内容
  • エピックゲームズの強み
  • エピックゲームズの今後の戦略

を明らかにしていきたいと思います。

エピックゲームズってどんな会社?

エピックゲームズ

ゲーム開発

をしている会社です。

1991年、ティム・スウィーニーによって設立されました。

エピックゲームズが提供する

フォートナイト

は世界でもっとも人気あるゲームの1つです。

フォートナイトは多人数が同時に参加するシューティングゲームで、無料でも十分に楽しめるのが特徴です。

どんなゲームなのかはこちらの動画を見てもらうとわかると思います。

先ほどもお伝えした通り、2020年5月の発表では、3億5,000万人が利用しているとされています。

世界中でユーザーを抱える動画配信サービスネットフリックスでも利用者は1億9,295万人なので、3億人を超える利用者はかなりすごい数字なのだとお分かりいただけると思います。

エピックゲームズは現在ユニコーン企業であり、その企業価値は18.6兆円を超えています。


企業名企業価値($B)兆円業種
1Toutiao (Bytedance)/トウティアオ(バイトダンス)140151中国AI
2SpaceX/スペースエックス7480アメリカその他
3Didi Chuxing/ディディ6267アメリカ交通輸送
4Instacart/インスタカート3942アメリカサプライチェーン
5UiPath/ユーアイパス3538アメリカAI
6Global Switch/グローバルスウィッチ3133アメリカ交通輸送
7Databricks/データブリックス2830アメリカデータマネジメント・分析
8Rivian/リヴィアン27.629アメリカ交通輸送
9Nubank/ヌーバンク2527ブラジルフィンテック
10Epic Games/エピックゲームズ17.318.6アメリカゲーム
The Global Unicorn Club:CB INSIGHTSより)

ゲーム市場について

ゲーム市場は毎年成長し続けています。

Newzoo Global Games Market Report 2020 | Light Versionより)

インターネット・スマートフォンの普及により、ハードであるゲーム機を要しないクラウドゲーミングの開発も行われています。

そのためゲームをする人の数も、ゲーム市場の売上も右肩上がりです。

Newzoo Global Games Market Report 2020 | Light Versionより)

そして、2019年にもっとも収益を生んだ基本プレイ無料ゲームはエピックゲームズの「フォートナイト」です。

Infographic: The Biggest Free-to-Play Cash Cows of 2019 | Statista
Statistaより)

エピックゲームズの事業と強み

フォートナイトのビジネスモデルは、

プレイは無料ですが、アプリ内で販売されるさまざまなデジタル・アイテムから収益を得る

というものです。

Epic Gamesより)

フォートナイトはクロスプラットフォーム・ゲームであるため、iOSに加えてAndroid、PlayStation,、Xbox,、Nintondo Switch、Windows PC、Macをサポートしています。

Epic Gamesより)

幅広い媒体に対応した

ことが人気となった要因と言われています。

フォートナイトには、

  • 世界を救え
  • クリエイティブ
  • バトルロイヤル

の3つのモードがあり、それぞれ異なったミッションをこなしていきます。

基本のゲームは、1回の戦闘に100人のユーザーが参加し、最後まで生き残った人が勝者となるバトルロワイヤル形式ですが、戦闘を行わずに友人と時間を過ごす「パーティロイヤル」や仮想空間内に自由に建物を建築する「クリエイティブ」といった遊び方もあります。

また、eスポーツとして競い合う大会が開催されたり、フォートナイトをプレーする様子を配信したりと、さまざまなコミュニティを形成しながら大きな盛り上がりを見せています。

これら3つのモードのなかでフォートナイトを社会現象にまで導いたのはこの「バトルロイヤルモード」といわれています。

バトルロイヤルモードでは、

  • 基本プレイ無料タイトルで多く見られるガチャやルートボックスによるアイテムのランダム提供を排除
  • デイリーで品ぞろえが変わるコスメティックアイテムの直販売と、3か月おきに刷新されるバトルパス(ゲームをプレイすることでスキンアイテムをアンロックする権利)

により、いくら払えば何が手に入るのか明確なマネタイズモデルを構築しています。

SuperData Reserchによると、2018年3月にはゲーム内課金を中心に月間売上高が3億1,830万ドル(約350億円)に達したといいます。

ユーザーの7割はアプリ内課金をしており、平均して85ドルを費やしているとも報告されています。

ルートボックスを用いず収益化に成功している背景には、

  • 惜しみなく追加されていくバリエーション豊富なコスメティックアイテムや、コスメティックアイテムというカテゴリで商品化できる素材自体の多様化(エモート、グライダー、バックブリング、スプレー、スキンカスタマイズ、オモチャ)など、商品ラインナップ自体が魅力的
  • 魅力的なアイテムを他プレイヤーに披露できる場がしっかりと確保されている

という点があります。

2つ目の「魅力的なアイテムを他プレイヤーに披露できる場がしっかりと確保されている」については、「インスタ映え」する写真を投稿してフォロワーから「いいね!」をもらうように、フォートナイトで面白い恰好や建築、シューティングの成果を上げ、ユーザー同士で承認しあう仕組みがあり、リアルな世界でファッションや体験を楽しむように、仮想空間でもシェアしたくなるような体験に対し、アプリ内課金が行われています。

顧客の増加という点では、子供から大人、ミュージシャンからスポーツ選手まで幅広い層に遊ばれており、エピックゲームズ主体のプロモーションだけでなく、ファンによる自発的な布教・宣伝活動のおかげもあり、配信開始から1年近くが経過した今でもメディア・コミュニティ内で話題が絶えることがなく、怒涛の勢いで成長を続けています。

エピックゲームズの今後の戦略

エピックゲームズの投資家にはKKR、Kleiner Perkins、 Lightspeedといった大型投資の常連が並んでいますが、2012年、WeChatやゲームを運営する中国の巨大企業グループ、テンセントは2012年に初の外部投資家としてEpicに3億3000万ドルを投じ、引き換えに株式の40%を得ています。

このテンセントからの資金によってエピックゲームズが売り切りの大型ゲームではなく、オンラインのフリーミアム型ゲームを提供する道が開かれたのだといいます。

また、ソニーが2020年7月に2億5000万ドルのマイノリティー出資をしたことを発表しています。

今回の投資により両社は、ソニーのエンターテインメント資産と技術ポートフォリオ、Epicのソーシャルエンターテインメントプラットフォームとデジタルエコシステム(ソーシャルスペースとしての利用が増加している「Fortnite」や「Epic Games Store」がそれだ)を活用した協業を拡大し、消費者やクリエイターにユニークな体験を提供することが可能となります。

この出資を含めて8月6日、17億,8000万米ドルの資金調達をし、評価額が173億米ドルになったことを発表した。

まとめ:ゲーム開発からAI開発へ

ということで、今日は「エピックゲームズの企業分析」をしてきました。

ゲームの世界からAIの世界に繋がっていくのはなかなか面白いなと思いました。

それでは今日はこれで^^

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