こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。
この記事では「ユニコーン企業の企業分析記事のまとめ」をしていきます。
中国といえばかつて「世界の工場」とも言われ、今や世界2位のGDPを誇る経済大国となりました。
今日は、
今注目すべき中国企業の企業分析
の記事をまとめいきたいと思います。
この記事とリンク先の記事を読めば、
- 中国企業の事業内容
- 中国企業の強み
- 中国企業の今後の戦略
が分かります。
Contents
Alibaba/アリババ集団
アリババ集団は
世界トップシェアのBtoB ECサイトを運営している会社
です。
企業間電子商取引のオンライン・マーケットは、240あまりの国家・地域にて5340万以上の会員を保有してます。
現在では、
- BtoB ECサイト「アリババドットコム」
- BtoC ECサイト「天猫 Tmall」
- 越境ECサイト「天猫国際 Tmall Global」
- CtoC ECサイト「タオバオマーケットプレイス」
- 決済サービス「アリペイ」
- クラウド・コンピューティング「アリババクラウドコンピューティング」
など様々なサイトの運営をしています。

中国は政府によりインターネットの制限が行われています。
世界ではECサイトはAmazonが多くの地域で使われているものの、アメリカの企業であるため、中国ではあまり使われていません。
また、アリババのグループ会社である「アント・グループ」が提供する「Alipay」は中国のモバイル決済においてWeChat Payと勢力を二分にしています。
今後は、中国国内での消費者層拡大と、世界への進出を見込んでおり、これからもEC事業での成長が期待されます。
その他、詳しい企業分析はこちらからどうぞ。

Ant Group/アント・グループ
アント・グループ(2020年6月よりアント・ファイナンシャルから改称)アリババ集団のグループ会社で
Alipayを含む、金融関連サービスを提供している
会社です。
もちろん主な事業としては「Alipay」が有名で、中国のモバイル決済はAlipayとWeChat Payの2強寡占状態です。
アント・グループのサービスラインアップとしては、
- Alipay(支付宝)・・・決済
- ユエバオ(余额宝)・・・流動性の高い預金的な金融商品
- マイバンク(網商銀行)・・・ローン提供サービス
- 芝麻信用(ジーマ信用)・・・信用スコアリングサービス
- アントクレジットペイ(花呗)・・・クレジット機能
- 保険・・・保険商品の販売
などがあります。
アント・グループが提供するAlipayや、アリババから得られるビッグデータを活用し、様々なフィンテックサービスを提供しています。
決済データは全てのフィンテックサービスの基本となるビッグデータです。
決済を把握すれば、ユーザーの習慣、嗜好、行動、生活様式、趣味、金銭的な思考、移動、公共料金関係、税金、資金的なトラブルなど、ほぼ全てを把握できてしまいます。
キャッシュレス社会が進み、アリペイのように決済手段としての独占率が高まれば、データとしての正確さも担保されデータ価値も向上します。
今後は海外戦略を主に、中国人が他国の観光でもAlipayを使えるようにすることに加え、その様子を見た現地の人がAlipayを使うようにし、他国でのアント・ファイナンシャルのサービスを広めていくことが期待されています。
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Tencent/テンセント
Tencentは
QQやwechatなどのメッセージアプリ・オンラインゲーム開発
をしている会社です。
2020年4月時点でWeChatの月間アクティブユーザー数は12億を超えています。
中国の人口は「14億人以上」なので、約80%の人が利用していることとなります。
中国人の暮らしのあらゆる面に関わるWeChatは、SNS機能のみならず、モバイル決済やゲーム、動画共有等の多彩な機能を提供しています。
また、中国では最近、専用アプリをダウンロードすることなくWeChat内でプレイできるミニゲームが主流になりつつあります。
強いソーシャル要素を持つ傾向にあり、プレイが簡単なこうしたゲームは、Douyin(TikTokの中国バージョン)を含め、ユーザーをひきつけています。
さて、みなさんも
WeChat Pay/微信支付
という言葉は聞いたことがあるでしょう。
現在Tencentでは
金融・融資分野
に力を入れており、
将来的にはマイクロローンなどの融資の機能も追加することも視野に入れています。
決済・融資のFinTechまでテンセントのプラットフォームで完結
するということです。
また、iFlytekでも紹介した中国が2017年に発表した「AI産業促進のための3カ年計画」にテンセントも大きく関わっています。
政府からの後ろ盾もありこれからも好調に業績を伸ばしていくと考えられます。
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iFlytek/アイフライテック/科大訊飛
iFlytekは
同社は主に音声認識、音声合成などの技術をもとに、音声メッセージソフトウェア、チップ製品、情報サービス、通信設備などを開発
している会社です。
音声認識システムといえば
- 翻訳機
- 入力・検索サポートシステム
などが、皆さんの身近なものになっていますが、
音声認識システムを使ったサービスは
- AIロボット
- 音声電子カルテ
など
自動車製造、医療、金融、教育
と幅広い分野にまで利用が広がっています。

iFlytekの音声ベース技術は、中国市場の70%を占めています。
音声認識の正確性は中国語で97%、英語で95%と、プロの速記者をも上回る高さです。
iFlytekは中国が2017年に発表した「AI産業促進のための三カ年計画」に大きく関わっています。
中国政府はAI大国となるための三カ年計画「促进新一代人工智能产业发展三年行动计划」を発表しましたが、その一翼を担うのがアイフライテックです。
医療分野がテンセント、スマートシティーがアリババ、クルマの自動運転がバイドゥで音声認識がアイフライテックの担当分野です。
中国政府のお墨付き企業というわけです。
世界をリードする中国のAI企業:アイフライテックより
中国ではアメリカ企業の進出が規制されています。
そのためアメリカに邪魔されることなく、力をつけていくことが予想されます。
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Megvii Technology/メグビー/旷视科技(Face++)
Megviiは
顔認識に人工知能をはじめて搭載した企業であるといわれており、顔認証システムを提供する
会社です。
Megviiが開発・サービス提供している顔認識システムを
「Face++」
と言います。
北京の警察での導入実績に加え、複数の大手銀行や、アリババ系の決済サービスのアリペイ、配車サービス大手の滴滴出行(Didi)なども、認証システムにFace++を導入しています。
Face++は83ものデータポイントを使って顔の認識を行う点が特徴です。
その精度はすでに99%を超えているとのことです。
Megviiの最大の顧客の1つが、世界最大の人口を抱える「中国政府」です。
Face++は中国全土に設置された1億7,000万台以上の監視カメラ映像を解析し、個人の行動を把握しています。
今後は、顔認証システムを使った物流オペレーションシステムの開発など、様々な分野との提携が期待されています。
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DJI/大疆创新科技
DJIは
世界シェア1位を誇るドローン業界のパイオニア
です。
一般向けのドローン市場において約7割のシェアを占めています。
DJIが展開しているドローンの中でも、一般向けとして人気なのは
「Phantom」「Mavic」「Spark」
の3つです。
看板商品であるPhantomシリーズが大ヒットしているのは、ドローンの頭脳の役割をする「フライトコントローラー」と、機体の動きに関係なくカメラを一定の傾きに維持する「ジンバル」の技術が世界最高だからです。
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機体を安全に制御して飛行させるための「フライトコントローラー」と、カメラを安定させ滑らかな空撮を可能にする「ジンバル」の技術が世界最高ということは、現状で世界最高のドローンメーカーと言えます。
DJIは、2016年より産業用のドローンも開発しはじめました。
今後は
「ドローン×映画」
「ドローン×農業」
「ドローン×点検」
「ドローン×インフラ建設」
など様々な分野に用いられていくことが期待されています。
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Baidu/バイドゥ/百度
百度は
中国で最大の検索エンジン「百度」を提供している
会社です。
中国では、政府の「グレートファイアウォール」によって様々なサービスが規制されています。
「グレートファイアウォール」とは、中国全土に敷かれているインターネット検閲・ブロックシステム「金盾(きんじゅん)」のことを指します。
そのため、一般的にはGoogle・Youtube・Facebook・LINEなどのサービスは利用できません。
よって、中国で使われている検索エンジンも1位は「百度」となっています。
中国のインターネットユーザーが増加していることと、政府が外国のインターネットサービスの参入を規制しているため百度のオンラインマーケティング事業は10%以上の成長を続けています。
現在中国ではインターネットへのアクセスの方法がパソコンからモバイルにシフトしており、モバイルで検索をするアクティブユーザーは1日あたり1億6,000万人がいると言われています。
百度は、ストリーミングと人工知能などの新規分野に注力しています。
また、人工知能の分野では自動運転の実現を目指しています。
ストリーミングサービスはすでに全四半期55%増の成長もしており、今後も業績の拡大が期待できます。
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まとめ:中国企業について知り今後の世の中の流れを知ろう
ということで、今日は「中国企業の企業分析のまとめ」をしてきました。
中国には政府の政策や海外企業の規制、新しいものを始めた時に規制をすぐに掛けないことなどスタートアップ企業が成長しやすい環境があります。
日本では新しいものが生まれるとすぐに規制をしてしまうため、新しいものが古いものを淘汰しにくい環境にあります。
この環境の違いが、昨今のGDP成長率の違いにも現れていると思います。
ぜひ中国企業の技術や戦略について勉強してみると良いと思います。
それでは今日はこれで^^