こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。
今日も「企業分析」をしていきたいと思います。
どんな事業と強みがあるんだろう?
詳しく教えて!
イギリスの大手石油会社で国際石油資本の1つであるBP。
今日は、
イギリス・BP
の企業分析をし、
- BPの事業内容
- BPの強み
- BPの今後の戦略
を明らかにしていきたいと思います。
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BPってどんな会社?
BPは
エネルギー関連事業を展開する多国籍企業
です。

BPは正式名ではありますが、元々は呼称のBPが正式名称になったもので、1954~2001年4月までの社名は「ブリティッシュ・ペトロナム」です。
民営化で進められた垂直的統合により、石油や天然ガスの探鉱(シュルンベルジェと連携)から採掘、輸送(パイプラインふくむ)、石油精製、小売まで一括で行います。
フォーチューングローバル500の総売上トップ10にランクインしています。
順位 | 企業名 | 国 | 総売上 |
1 | ウォルマート | アメリカ | 56兆641億円 |
2 | 中国石油化工集団(シノペック) | 中国 | 43兆5,499億円 |
3 | 国家電網公司(ステートグリッド) | 中国 | 41兆779億円 |
4 | 中国石油天然気集団公司 | 中国 | 40兆5,669億円 |
5 | ロイヤルダッチシェル | オランダ | 37兆6,753億円 |
6 | サウジアラムコ | サウジアラビア | 35兆2,868億円 |
7 | フォルクスワーゲン | ドイツ | 30兆2,553億円 |
8 | BP | イギリス | 30兆2,399億円 |
9 | Amazon.com | アメリカ | 30兆158億円 |
10 | トヨタ自動車 | 日本 | 29兆4,558億円 |
石油・エネルギー市場について
世界の石油需要はここ数年下がり続けています。
また、国際的な原油価格は、リーマン・ショックの影響により2009年前後に一時的な急落を見せたものの、2004年以降は一貫して上昇基調にありました。
しかし、2014年後半以降、原油価格は大幅な下落に転じます。
理由は、
- 中国などの新興国の成長率減速などによる需要の伸び悩み
- 米国での大幅なシェールオイル増産
- 石油輸出国機構(OPEC)をはじめとする主要産油国の高水準生産
など、全世界的な供給過剰感が背景と言われています。
原油価格の低迷は、世界中の石油・天然ガス開発企業に大きな打撃を与えました。
「スーパーメジャー」と呼ばれる世界を代表する5社(ExxonMobil、Shell、BP、Chevron、Total)の石油・天然ガス開発企業においても、2016年の純利益は2014年比で約76%、投資額は約37%減少しています。
2000年前後はアジア通貨危機やOPECの合意などにより原油価格が急落するなど、市場環境や事業環境においても大きな転換点がありました。
米国の代表的な株価指数であるS&P500が1985年から2000年にかけて7倍強に拡大するなど、株式市場が著しく発達し、成熟産業とみなされていた石油産業は、株主からより強い圧力に晒され、利益率向上のための経営合理化を迫られました。
こうした背景から、オイルメジャーは2000年前後に大規模な再編期を迎えることとなります。
そして、ヨーロッパやオーストラリアにおけるガソリン車の販売禁止が今後予定されていたり、石油製品の需要が減少に転じたりしていることから、これらの地域においては、従来の精製設備では効率的に供給することができなくなるという需給のミスマッチが顕在化しています。

そのため、オイルメジャーでは、需要減少が見込まれる先進国地域での下流事業、特に石油精製事業を縮小し、今後の経済成長に伴う需要増加が見込まれるアジア地域等へ資本の移転を進め、石油製品のトレーディングを通じて全体の需給バランスを最適化することにより、収益の最大化を追求する対応を進めています。
こうした先進国地域における企業とは別に、これまで上流分野での国外投資に積極的であった中国の国営石油企業においても、下流分野での国外進出、とりわけ、今後成長が見込まれるミャンマー、カンボジア、シンガポールなどアジア地域における製油所の取得等の投資が進められています。
また、シノペックがサウジアラビア等においてサウジアラムコとの合弁による製油所を新設し、ペトロチャイナがイギリスやフランスなどにおいて製油所を取得するなど、アジア地域以外への進出の動きも見られます。
こうした動きを通じて、世界規模で最適な石油供給ネットワークを構築しようとする取組が進められています。
BPの強み
国際石油市場において独占的な価格決定権を持っていたセブンシスターズのうちの1社で、上場会社の中での生産量はエクソン、ロイヤルダッチシェルに次いで3位、確認埋蔵量ではエクソンに次いで2位と押しも押されぬ地位を築いています。
ただ、サウジアラムコなどの非上場企業を含めると世界で11位の生産量になります。
また、2010年4月、メキシコ湾沖合いで掘削中の油田が暴噴を起こし、史上最大の原油流出事故に発展しています。
その補償のため、2兆円の補償基金設置をはじめ約6兆円の多額の支払いを迫られ、資産売却を進めたため、近年は利益があまり冴えません。
他のスーパーメジャーと同じく、裾野がさらに広いです。
天然ガスの生産とそれを利用した発電事業、再生可能エネルギーとしての太陽光発電・風力発電、石油化学製品の製造・販売
も手がけていています。
BPの今後の戦略

エネルギー需要の伸びると予測されているメキシコ、インド、インドネシア、中国等の新興国における市場を確立することや、太陽光発電、EV充電に関するビジネス提携
に注力していきます。
特に、BPはバイオ/低炭素社会の実現に向けて新たなビジネスモデルを発表しています。
このモデルは、BPの本来のビジネスを根幹に置きつつも、「バイオ/低炭素社会」を目指す上で必要な新規事業やベンチャー企業への投資等により一層力を入れるというものです。
主に、バイオおよび低炭素燃料・製品、先進的モビリティーサービス、デジタル 技術、産業オペレーション、データ解析等の事業を行うベンチャー企業に投資もしくは協業しており、移り行く社会や需要に対応すべく戦略を策定しています。
また、2017年には「Lightsource」を戦略提携を発表し、総額2億ドルでの買収で、43%の株式を取得しました。
これは太陽光事業から離れていたBPの太陽光事業への復帰の足掛かりとなりました。
BPのvideo libraryではBPの環境への取り組みについての総評のビデオが公表されており、字幕もありわかりやすかったので、BPの取り組みについて知りたい人はみてみると良いでしょう。
▶︎ The BP Statistical Review of World Energy 2018 – External Film
BPの株価
BPは「ロンドン証券取引所、ニューヨーク証券取引所、フランクフルト証券取引所」に上場しています。

まとめ:イギリス企業の強みはその「帝国」としての強み
ということで、今日は「BPの企業分析」をしてきました。
イギリスの企業を調べるのは初めてでしたが、強みは「イギリス」の企業であること、とも思いました。
歴史上早くから世界に「力」を持った国はやはり強いですよね。
それでは今日はこれで^^
