企業分析

アント・ファイナンシャル/ 蚂蚁金服の企業分析【中国企業の強み・ビジネスモデルを徹底解説】

こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。

この記事では「企業分析」をしていきます。

ツナモンスター
ツナモンスター
中国ではスマホ決済が今では当たり前らしいね。
「Alipay」と「We chat pay」ってアプリが2強らしいんだけど
どんなことをやってスマホ決済を広めたんだろう?
違いや戦略について詳しく教えて!

今や、日本でも「Alipay」という言葉を見るようになりました。

この「Alipay」を提供している会社はアリババ集団傘下の「アントファイナンシャル」という会社です。

今日は、

中国・アントファイナンシャル

の企業分析をし、

  • アント・ファイナンシャルの事業内容
  • アント・ファイナンシャルの強み
  • アント・ファイナンシャルの今後の戦略

を明らかにしていきたいと思います。

アント・ファイナンシャルってどんな会社?

アント・ファイナンシャル

金融サービスを提供している

会社です。


アント・ファイナンシャル公式サイトより)

アント・ファイナンシャルというと「???」という人もいるかもしれませんが、アリババ集団の金融関連会社です。

みなさんもお店に行ったら一度は見たことがあるかもしれない「Alipay」を展開している会社です。

元々、アントフィナンシャルは、2004年12月にアリババが運営するイーコマースでの決済を目的にAlipayとして誕生しました。

徐々にそのビジネス領域を拡大し、現在では中国のキャッシュレス社会を象徴する金融機関となっています。

中国のスマホ決済市場について

中国モバイル決済の取引規模は年々成長し続けています。

2018年の年間取引規模は277.4兆元(約4,383.5兆円)と2017年より136.7%増加し、
さらに2019年はQ1の時点ですでに83.9兆元(約1,325.8兆円)に達しています。

AlipayやWeChat Payなどの各モバイル決算サービスの使用シーン拡大に伴い、取引回数および全体の取引規模は高速で成長している状態です。

(Ai Mediaレポート| 2019Q1中国モバイル決済市場調査レポートより)

世界の主要経済圏の中で、中国の国内モバイルウォレット消費が最も高い割合を占めており、

そのうちeコマース消費がモバイルウォレット消費の65%を占めていることを示しています。


(Ai Mediaレポート| 2019Q1中国モバイル決済市場調査レポートより)

現在、AlipayとWeChatの支払いの独占が中国のモバイル決済市場を支配しており、
2つの取引の合計市場規模は90%を超えています。

オンラインeコマースではAlipayが支配的で、
オンラインの支払いをAlipayに設定するユーザーは64.9%に達しました。

中国の圧倒的なモバイル決済の普及率については、当局による支援政策や各プラットフォームに対するセキュリティー対策の監督強化などの政治的要素や、モバイルインターネットの普及とそれによるキャッシュレス社会への抵抗感の薄さなどの社会的要素が、その成長を支えていると考えられる。
Ai Mediaレポート| 2019Q1中国モバイル決済市場調査レポートより

2018年の中国モバイル決済ユーザーは6.59億人で、2019年には7億人を突破すると予想されています。

上記した通り、中国のモバイル決済はAlipayとWeChat Payの2強寡占状態です。

アリババ系決済ツールのAlipayは48.3%のシェアを持ち、テンセント系のWeChat PayとQQ銭包を合わせた44.9%のシェアより少し優位に立っています。

ネットユーザーに対する調査によると、オンライン(ネットショッピングなど)ではアリペイを使用したいという割合が全体の60.8%を占める。一方、オフライン(飲食店内や駅構内など現場での支払い)では、65.6% のユーザーがWeChat Payを使用する意向を示した。

大手ECサイト・タオバオを持つアリババ系のアリペイがオンラインを得意のフィールドとし、国民的SNSアプリ・WeChat内に設計されたWeChat Payが日常生活と密接な関係を保ち、食事や交通など幅広い日常シーンでの利用が多いのは自然な結果である。

また、少額の消費ではWeChat Payを利用する場合が多く、アリペイは比較的大きな金額を扱う際に用いられる傾向にある。さらに、一般には1・2線都市(中心地)ではアリペイが人気で、3・4線都市(地方)ではWeChat Payのほうが人気があるとの調査結果も出ている。

iiMedia Researchのデータによると、2018年のチャイナモバイルの支払い取引量は277.4兆元に達し、2017年と比較して136.7%増加しました。

2019年第1四半期の取引量は83.9兆元に達しました。

Ai Media Consultingのアナリストは、主要なサードパーティ決済プラットフォームによるビジネスアプリケーションシナリオの継続的な拡大と拡大により、モバイル決済がユーザーの主な生活シナリオに浸透し、モバイル決済トランザクションの頻度と全体的なトランザクション規模が急速な成長を見せていると考えています。

アント・ファイナンシャルの強み

アント・ファイナンシャルはアリペイがメインのサービスではありますが、それだけではありません。

サービスラインアップとしては、

  1. アリペイ(支付宝)・・・決済
  2. ユエバオ(余额宝)・・・流動性の高い預金的な金融商品
  3. マイバンク(網商銀行)・・・ローン提供サービス
  4. 芝麻信用(ジーマ信用)・・・信用スコアリングサービス
  5. アントクレジットペイ(花呗)・・・クレジット機能
  6. 保険・・・保険商品の販売

などがあります。

アント・ファイナンシャルが提供するAlipayや、アリババから得られるビッグデータを活用し、様々なフィンテックサービスを提供しています。

決済データは全てのフィンテックサービスの基本となるビッグデータです。

決済を把握すれば、ユーザーの習慣、嗜好、行動、生活様式、趣味、金銭的な思考、移動、公共料金関係、税金、資金的なトラブルなど、ほぼ全てを把握できてしまいます。

キャッシュレス社会が進み、アリペイのように決済手段としての独占率が高まれば、データとしての正確さも担保されデータ価値も向上します。

経済産業省資料より)

 

アント・ファイナンシャルの今後の戦略

アントフィナンシャルが公表した海外戦略目標によれば、

10年後には現在2億人いる海外のAlipayユーザーを10億人増加させ12億人に拡大し、中国国内アリペイユーザー8億人と合わせて合計20億人にするとしています。

glotechtrendsでは、アントフィナンシャルの海外戦略が三段階に分けて説明されています。

  1. 中国人観光客向けに限定し、海外で中国アリペイサービスを活用できるようにする段階。日本は今この段階であり、ローソンやビッグカメラなどが中国人観光客をターゲットにアリペイ決済を採用している。
  2. アリババが運営する海外版Eコマースサイト「AliExpress」を通じて、オンラインショッピングの決済ツールとしてアリペイを活用する段階。
  3. 各国のローカルパートナーとアライアンスを締結し、アントフィナンシャルが中国で成功したフィンテックサービスを模倣し現地で展開する段階。

第一歩目として、Alipayを観光地で使い、その状況を現地の人が見る状況を作ります。

そのようにすることで、

中国人向けに、Alipayが使用できますという看板を出せば、自動的にその国の人の目にも触れます。

また、中国人がスマホを取り出して快適に決済している姿を見れば、あれば何だろうと関心を抱きます。

アジアの至る所でAlipayの看板の露出度は極めて高くなるということです。

第二歩目として、現在Eコマース最大手のアリババが海外戦略を加速させています。

グローバルEコマースプラットホームである「AliExpress」を活用して、Eコマースの普及と同時にAlipay決済を海外に輸出してしまう作戦です。

世界で1億人以上の「AliExpress」ユーザーが何らかの自国の決済ツールとアリペイを連携させて活用しています。

何らかの形でAlipayを使ってもらうのが二歩目です。

第三歩目は、ローカルの強力なパートナーと提携を行います。

例えばインドではPayTm, タイではAscend Group、マレーシアではCIMBバンク、韓国ではKakao Pay、フィリピンでは最大コングロマリット企業であるアヤラなど、
どこもアントフィナンシャルの相手にふさわしい強力なパートナーを選定しています。

提携先のパートナーと協力して、アントフィナンシャルが保有するフィンテックサービスをローカライズしながら、
ローカルパートナーが前面に出て、アントフィナンシャルはテクノロジー支援や経験によるアドバイザー的な後方支援に徹する形で、サービス展開して行きます。

「アリペイ決済だけでなくアントフィナンシャルが得意とするフィンテック分野をあますところなく伝えることとなる」

ということです。


経済産業省資料より)

このようにして、全フィンテック分野の世界進出を狙っています。

アント・ファイナンシャルの株価について

アント・ファイナンシャルは上場していません。

しかし、グループ会社であるアリババがニューヨーク証券取引所に上場しています。

11/4の終値で「179.69」ドルです。

  • 時価総額 4678.35億
  • 株価収益率 37.86%
  • 配当利回り –
  • 52 週高値 195.72ドル
  • 52 週安値 129.77ドル

まとめ:ビッグデータは今後のビジネスの宝

ということで、
今日は「アント・ファイナンシャル」の企業分析をしてきました。

アマゾンもウィーチャットもフェイスブックもグーグルも
事業業拡大の鍵は「ビッグデータ」ですね。

それでは今日はこれで^^

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