こんにちは。
元野村證券女性営業マンのフリーファイナンシャルアドバイザーNatsumiです。
今日は「資産運用」の話です。
みなさんは
「立会外分売」
という言葉を聞いたことがありますか?
この言葉を知っておくと
株式を手数料なしで&割引した価格で買い付けすることができる
んですよ。
ということで今日は
立会外分売
について説明していきます。
- 立会外分売について知りたい人
- 有利な条件で株式を買い付けしたい人
はぜひ読んでくださいね。
Contents
立会外分売とは市場外で株式を取得すること
立会外分売とは
売買立会時間外(取引所などの取引時間外)で、大株主などの大量の売注文を、多くの投資家に分売する方法です。
投資家数の拡大や、流動性の向上などを目的に多数の銘柄で実施されております。
立会外分売の対象銘柄:SBI証券より
ということで、
「市場外/立会外」で、株式を分売するので「立会外分売」と言われています。
ちなみに「立会」の意味は
立ち会いとは、証券取引所内において会員証券会社間で売買取引を行うことをいいます。売買立ち会いともいいます。以前は証券会社の担当者(場立ち)が立会場に立って、身振り手振りで売買処理を行っていました。場立ちは1999年4月30日をもって廃止され、現在はすべてコンピュータ処理となりましたが、かつての名残で今でも立ち会いという言葉が使われています。東京証券取引所の株式の立ち会い時間は、前場は午前9時から11時30分まで、後場は午後0時30分から午後3時までです。
立ち会い:SMBC日興証券より
太線の部分の、「証券会社の担当者(場立ち)が立会場に立って、身振り手振りで売買処理を行っていた」という名残から、証券会社間での売買取引を「立ち会い」という言葉が今も残っています。
その「立ち会い=市場が開いている時間」以外の時間に取引をするので、「立会外分売」というのです。
立会外分売の具体的な取引は、
企業や大株主が証券取引所の取引時間外に株を割引価格で投資家に売り出すこと
です。
このような表現をすると、
と、勘のいい人は気づきそうです。
確かにその通りで、POと立会外分売は「企業や大株主が証券取引所の取引時間外に株を割引価格で投資家に売り出すこと」という意味では同じの取引です。
しかし、取引の仕方などの条件のいくつかの違いがあり、POは立会外分売よりも大きい額の取引をする際に使われます。
また、POは立会外分売よりも長い期間を取引に有します。
PO | 立会外分売 | |
取引金額 | 立会外分売よりも大きい | POより小さい |
期間 | 仮条件決定から約半月 | 分売条件決定から1日 |
色々な条件がすぐに決まり、また売却できるようになるのが早いのが立会外分売です。
企業にとっての立会外分売の利点

企業はなぜこの「立会外分売」を使って取引をしようとするのでしょうか。
それは以下の3点のメリットがあるからです。
- 流動性を高めることができる
- 指定替え/鞍替えを狙いやすくなる
- 売却による株価変動を抑えることができる
立会外分売は「大株主や企業が持っている株を市場に出す」取引になるので、市場で取引される株数が増えます。
そうすると、株数が増えたことにより流動性が高まります。
また、立会外分売によって保有している人が増えるので、その分株主が増えます。
流動性が高まることも株主が増えることも、企業にとっては利点なのです。
また、株主が増えることで「指定替え/鞍替え」をしやすくなります。
指定替えとは
証券取引所で所属する市場を移動すること
をいいます。
例えば、東証2部に所属していた会社が、東証1部に市場を移動することを「指定替え」と言います。
「指定替え」の何が企業にとってメリットかというと、東証2部の会社よりも東証1部の企業の方が市場規模が大きい場合が多いですし、機関投資家のファンド運用によっては、東証1部の企業にしか投資できないという規定がされているのものがあったりします。
そうなると、自分の会社がたとえ投資してもらう価値があるとしても、「東証2部」に所属しているという理由だけで、投資してもらうことができません。
これは企業にとってはデメリットなので、指定替えしたい企業も多数あるのです。
最後に、「市場の株価変動を最小限に抑える」ために立会外分売を利用します。
例えば大株主が市場で株を売却しようとすると、市場は「需要と供給の相対取引」がなされていますので、株を一気に売りに出した場合、株価は大きく下落してしまいます。
市場に混乱を招いてしまう可能性も出てきてしまいます。
大株主にとっては、株は売りたい一方、市場の株価が大きく下がることは望んでいません。
しかし、立会外分売であれば、あらかじめ割引価格で買い手を募ることでき、株価の変動を最小限に抑えることができますので、立会外分売を使っての取引をするのです。
個人投資家にとっての立会外分売の利点
企業にとって立会外分売を使う利点がわかったところで、個人投資家にとっての立会外分売に参加する利点を説明していきます。
個人投資家が立会外分売に参加する利点は以下の3点です。
- 割引価格で取引できる
- 株式購入手数料がかからない
- 指定替えによっては利益がでる可能性が出てくる
立会外分売は、前営業日の終値から平均3%程度割り引かれた株価で購入することができます。
POと違い「前営業日の終値」から割引されますので、比較的買付した価格よりほぼ乖離がない状態で売却できる可能性があります。
もし、前営業日と当日の価格に差がなかったとしても、そもそも「割引された価格」で買付していますので、その割引分だけすでに利益になる可能性が高いです。
POだと、条件が決まって実際に買い付けし、売却できるようになるまで1週間ほど間が空いてしまうので、その間に株価がもし下がってしまえば、割引の意味がなくなってしまうのがデメリットです。
さらに、立会外分売での購入手数料は、無料となっています。
通常の株式取引は、「買付代金プラス買付手数料」となっていると思いますが、この買付手数料がないのは、投資家にとっては利点です。
また、「指定替え」は個人投資家にとっても利点があります。
さきほどもお伝えした通り、「指定替え=上の市場に所属をかえる」と機関投資家などの取引が増える可能性が出てくるので、株価は上がりやすい傾向にあります。
立会外分売をした全ての企業が「指定替え」するわけではありませんが、もし、「指定替え」となった場合は株価の上昇が期待できます。
立会外分売はどこでできるのか
立会外分売は主幹事となった証券会社で行われています。
SBI証券では以下のようなページが用意されており、

SBI証券で取り扱う立会外分売があれば、このページに表示されるようになっています。
「ご案内メール」が届くようにしていれば、立会外分売などの情報がリアルタイムで届くようになりますよ。
まとめ:立会外分売を利用して株を有利に手に入れよう
ということで、今日は「立会外分売」について説明してきました。
うまく使って利益を出せるように努力しましょう!
それでは今日はこれで^^
★証券会社選びはどこが良いのか?
初心者の方は対面証券ではなくネット証券を選ぶと良いと思います。
ネット証券業界1位は SBI証券 です。